道路植栽による交通騒音の低減方策


 
4.樹木の選定

4.1 基本方針の決定

 樹木は、高木、中木、低木に分類される。現状は歩車道境界に低木のハナゾクツクバネウツギ(属名アベリア、以下、アベリアと記載)が連続して植えられ、7m間隔に高木のケヤキが配植されている。遮音効果を高めるためには、この間を埋める中木を植栽するのが適当と判断される。次に常緑樹か落葉樹の選択になるが、騒音防止効果を目的としているので常緑樹を選択する。また、形状として円錐形、卵円・球形、頂上葉形などに分類されるが、より効果が見込める卵円・球形とする。 ただし、実験樹種については、分類に関係なく幅広くデータを収集することとした。

4.2 実験の方法

写真−3

 前記4.1で決定した方針に基づき、写真−3のような方法で県立総合運動公園で実験を行った。

 樹種は同公園内で実験可能な6種を選定した。音源の選択に苦慮したが、幸い土木事務所内にサイレンの音圧が変わるスピーカーがあったため、変化する騒音レベルの最大値を読みとることとした。

 音源は植栽帯から1.5mとしマイクロホンの距離を0.5m、5.0mと変えることで距離減衰も測定した。 また、樹種ごとの物理特性を知る必要があるので、横20cm 縦15cm 奥行17cmの枠をつくり、枠内全ての葉を採取した。その面積、厚み、枚数を計測することで単位体積当たりの葉面積と植生密度を把握した。これには、なるべく多くのサンプルが必要と考えられたので、騒音レベルの測定が出来なかった樹種も参考のため採取した。

 

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