2章          開発行為に係る制限等
 2節 開発許可に係る要件

2-2-5 開発行為等により設置された公共施設の管理(法第39条)
法第39条

1 開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により公共施設が設置されたときは、その公共施設は、第36条第3項の公告の日の翌日において、その公共施設の存する市町村の管理に属する。ただし、他の法律に基づく管理者が別にあるとき、又は法第32条第2項の協議により別段の定めをしたときは、それらの者の管理に属するものとする。
1.本条は開発行為等によって設置された公共施設の管理権の帰属について規定したもので、本法では、開発行為を行なう場合、都市計画上、災害の防止上、環境の整備上の観点から、道路、公園、排水施設等の公共施設の整備を義務付けたことと関連して、設置された公共施設が事業の施行後においても適正に管理されることを確保するため、設置された公共施設の管理は、原則として地元市町村において引き継ぐことを規定したものである。
 なお、本条は、管理権の帰属について規定したものにすぎず、管理権そのものの内容を規定したものではない。したがって、当該公共施設の管理上公権力の行使に当る管理行為(占用許可処分等)を行なうためには、当該管理行為に係る別途の法律上の根拠を必要とするものと解される。
①「開発行為に関する工事」とは
 開発行為を行なう場合に開発区域外の幹線道路との接続道路等の工事を同時に行なうことがあるが、定義上これが開発行為で行なわれる開発行為に含まれない場合があるからである。
②「他の法律に基づく管理者が別にあるとき」とは
 道路法、河川法等のいわゆる公物管理法の規定に基づき、公共施設の管理者が当然に決まる場合である。
③「法第32条第2項の協議により別段の定めをしたとき」とは
イ 同項に規定する協議において、開発許可を受けた者が自ら管理する場合。
ロ 定期借地権を活用した開発行為等により設置された道路について、専ら開発区域内の住民の利用に供されるもので、市町村が管理しなくても適切な維持管理が見込まれ、開発者からの要望があった場合。
通知:[平成9年度定期借地権を活用した開発行為等により設置された道路の取り扱い基準案について]

2.公共施設の管理及び帰属の適正を図るための留意事項
①法第32条第2項の協議における法律関係の明確化
 開発者との協議において以下の内容を明確にした文書を作成する。
イ 帰属を受ける公共施設の範囲
ロ 帰属の時期
ハ 帰属の方法
ニ 帰属の手続き
 注)法第33条第1項第14号の関係権利者の同意は、開発行為を行なうこと自体についての同意であり、公共施設の土地の所有権等の移転についての同意まで含んでいない。よって、公共施設用地を開発者以外の第3者が所有している場合は、工事の完了までに開発者において当該土地の所有権を取得することが必要となる。
②管理の引継ぎ帰属
イ 法第36条第3項の工事完了の公告の翌日に当該公共施設の属する市町において引き継ぐこと。
ロ 別の定めによる管理者の場合においても、当該公共施設用地の所有権のみは帰属をうけ、基本的な管理権の所在を明確にすることが望ましい。(所有権の移転登記を行い帰属を受けた後、別途期間を定めて当該公共施設の管理委託契約を締結する等の措置をとることが考えられえる。)
ハ 法第40条の規定により土地の帰属は別途の法律行為を行わずとも、同条の効果として直接所有権を移転させるものであるが、当該土地に2重譲受人が生じた場合等は、善意の第三者に対して所有権を対応することは難しいので注意すること。
③登記手続き
 法第36条2項又は3項本文の「遅滞なく」の範囲内において、当該土地の帰属に係る嘱託登記に必要な登記承諾書,印鑑証明書等の書類の提出を開発者に求めるものとし、確実に帰属を受ける必要がある。
 なお、開発者側に正当な理由がなく必要な関係書類の提出がない場合にあっては、工事完了検査の実施を保留することもやむを得ないものと考えられる。
 また、当該登記手続きに関する内容について、開発許可の際の条件としても際し使えないものと考えられる。