2章   開発行為に係る制限等
 2節          開発許可に係る要件

2−2−6 公共施設の用に供する土地の帰属(法第40条)
法第40条

1 開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により、従前の公共施設に代えて新たな公共施設が設置される場合においては、従前の公共施設の用に供していた土地で国又は地方公共団体が所有するものは、開発行為完了の公告の日の翌日において当該開発許可を受けた者に帰属するものとし、これに変わるものとして設置された新たな公共施設の用に供する土地は、その日おいて国又は地方公共団体に帰属するものとする。
2 開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により設置された公共施設の用に供する土地は、前項に規定するもの及び開発許可を受けた者が自ら管理するものを除き、開発行為完了の公告の日の翌日において、法第39条の規定により当該公共施設を管理すべき者に帰属するものとする。
 本条は公共施設の用に供する土地の帰属の一般的ルールを示したもので、不動産登記法による登記上の原因とはなりえるが、登記を行わない土地の所有権は移転しない点に留意すべきである。
1.第1項について
@ 本項は、従前の公共施設を廃止してそれに代わる新たな公共施設を設置する場合の土地の交換についての規定であり、従前の公共施設の用に供する土地が国又は地方公共団体の所有に係る場合にのみ、適用を受ける。従前の公共施設が廃止される場合、その用地は、その他の土地や建築物等と同様に開発許可を受けたものが買収する等により必要な権限を取得すべきものであるが、代替的な機能を有する公共施設が設置される場合は、従前の公共施設用地と交換されるものとして事務処理の簡素化の特例を定めたものである。
A 本項の「従前の公共施設に代えて」とは、同一機能の公共施設という趣旨である。その構造、規模等が同一であることを必要とせず、従前の公共施設が複数であって、単一の公共施設にまとめて整備する場合も含まれる。また、新旧の土地が等価であることも必要としない。
2.第2項について
 公共施設の用に供する土地を開発許可を受けた者が自ら管理する場合は、当該公共施設の管理について管理協定の締結等により担保するとともに、建築確認の際に建ぺい率、容積率の算定に混乱を生じさせないよう分筆を行なわせることが適当である。
3.公共施設管理者への帰属について
(札幌高裁H7.10.31判決(平成5年(ネ)第345号外)
札幌高裁は、次のように管理者の所有権取得は原始取得の性質を有するものとしている。
 「法第40条第2項は、開発許可を受けた開発行為により設置された公共施設の用に供する土地は、法第39条の規定により右公共施設を管理すべき者に帰属する旨を規定し、右公共施設とは、法第4条14項、施行令1条の2に定める施設を言うものであるが、法第40条2項に「開発許可により設置された」公共施設とあり、同条は文理上既に設置された又は少なくとも設置が具体的に定められた施設の供用地の帰属を定める趣旨の規定であること、・・・法第4条14項は施設を限定して列挙しており、同項所定の施設として特定されて初めて公共施設に当たるものであることに照らすと、公共施設が前記法令所定のいずれの施設であるかは協議の段階、遅くとも管理者や右施設の供用地の帰属者が定まる時点では特定していることを要するものと解される。
・・・したがって、単に公共施設と言うだけで、公共施設の内容が特定されない場合は、公共施設のように供する土地と言うことはできないから、法第40条2項は適用されず、同条項により管理すべきものに帰属する効果は生じることはないものというべきである。法第40条2項による公共施設用地の管理者への帰属は、公共施設の管理権の帰属者とその施設用地の帰属者とを一致させることにより、公共施設をめぐる権利関係の簡明化を図る趣旨に出たものであり、同条項による所有権の帰属は法律上当然に生じ、管理者の所有権取得は原始取得の性質を有するものと解される。」

(最高裁平成10年10月22日判決(平成8年(オ)第442号)は、原審の判決を是認。)