1章  開発許可制度の概要
 2節 主な用語の定義

1-2-2 建築物、建築(法第4条第10項)
都市計画法
法第4条(定義)

10 この法律において「建築物」とは建築基準法第2条第1号に定める建築物を、「建築」とは同条第13号に定める建築をいう。

建築基準法
法第2条(用語の定義)

  この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 建築物
  土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
 三 建築設備
   建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。
 十三 建築
   建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。 

 

1.建築物
 都市計画法でいう「建築物」は、建築基準法でいう「建築物」と同じである。すなわち、次の①~④の範囲であり、附属する建築設備は建築物の一部としてそれぞれに含まれる。
① 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)
 一般的に建物と言われているものが該当する。この場合に屋根は必須であるが、柱と壁はその一方だけの場合でも建築物となる。なお、これに類する構造のものを含むとされているので、注意が必要である。以下に事例を掲げる。
イ プレファブで造られた簡易な事務所、倉庫等であっても建築物に該当する。
ロ 屋根(屋上)が網目状になっていて壁を有しない開放的な1層2段の自走式自動車車庫は、屋根に類する構造を有するものとして建築物に該当する。
ハ トレーラーハウス等については、給排水、ガス・電気等の外部からの供給設備が固定的であるなど、随時かつ任意に移動できないような場合は、土地に定着しているとみなされ建築物に該当する。
② ①に附属する門若しくは塀
③ 観覧のための工作物
  野球場、競馬場等の観覧席が該当する。この場合、屋根がなくても建築物となる。
④ 地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)
 テレビ塔などの展望室、鉄道の高架下の店舗、地下街の店舗等が該当する。

2.建築
 建築基準法においては、第2条第13号で「建築」とは、建築物を新築し、増築し、改築し又は移転することと定義しているが、「新築」等の定義は法令上になく、運用解釈として解説書等によって流布しているものが「新築」等の意味と考えられている。
 一方、都市計画法の開発許可制度においては、第4条第10項で「建築」は建築基準法と同義としているが、こちらも「新築」等の定義は法令上にない。実際、通達等においては、「建築」が「新築」等の四種類によって構成されることは同じであるが、「新築」等の意味は建築基準法と異なるとしている。表1-1において建築基準法での扱い方と対比しながら概説する。また、法第43条の運用に関しては5-1-2を参照のこと。

表1-1 新築、増築、改築、移転
「建築」の事例 建築基準法での扱い 開発許可制度での扱い
① 建築物がなかった土地での建築 「新築」 「新築」
② 既存建築物が存する敷地内での別棟の建築 単体規定の適用に関しては通常「新築」 「増築」
 ただし、法第43条の適用に関しては「新築」と扱われる場合がある。
集団規定の適用に関しては「増築」
③ 既存建築物が存する敷地内での棟続きの建築 「増築」
④ 既存建築物の全部又は一部を除却した後、引き続いてこれと用途、規模及び構造の著しく異ならない建築物の建築 「改築」 「改築」 
⑤ 既存建築物の全部を除却した土地での建築物の建築(④を除く。)  「新築」 「新築」
 ただし、法第43条の適用に関しては「改築」と扱われる場合がある。
⑥ 同一敷地内で建築物を移動する行為  「移転」 「移転」

(参考) 法第43条