はじめに

わが国及び長崎県において、昭和40年代の都市への急激な人口流入が、市街地における工業用地や住宅用地の需要の増大を生み地価の急激な高騰を招くこととなりました。その結果、既成市街地の集辺や郊外の公共施設の整備が行き届いていない地域での無秩序な都市化の進行及び人口の拡散につながっていったところです。

このような都市の無秩序な延伸を抑制するため、適切な住宅供給を促進する地域(市街化区域)と市街化を抑制する地域(市街化調整区域)の設定(このことを「線引き」という。)を行い、供給される宅地の質を確保し、良好な都市環境を担保すること及び公共団体による公共施設の整備が後追いとならないよう、一定の要件を満たすものを除いて宅地化を規制することを目的とした都市計画法に基づく開発許可制度が昭和43年に制定されました。

本県においても、昭和46年3月の線引きを受けて、翌年度より制度が実施されており、この間幾度となく法律の改正に伴う取り扱いの見直しが行われてきたところです。

今回の改正(平成19年改正)では、地方の都市部における人口の減少に伴い経済活動が伸び悩み、中心市街地(まちなか)の活力の減少及び空洞化が進んでいることなど、都市が拡大から収縮へ向かう傾向にあり、都市機能がコンパクトに集約した都市構造への誘導が求められています。このことを踏まえ、「まちなか」への公共・公益施設の誘導と「まちなか」以外の区域での開発を抑制し、大型店舗等(大型集客施設)については「まちなか」である商業地等のみでの立地を許容すること等を目指す都市計画法を含む「まちづくり三法」が改正されたところです。

都市計画法における開発許可制度においては、社会福祉施設、医療施設、学校等の建築を目的とした開発行為や国や県が行う開発行為など、従来許可不要とされてきた開発行為が許可及び協議の対象となりました。また、市街化調整区域おける大規模な計画的開発に関する許可の規定が削除されるなどの改正が行われており、本手引きも併せて改訂したところです。

なお、市町単位での良好なまちづくりを目指すための地区計画制度による開発行為については、一定の要件を満たすものについて、市街化調整区域にあっても許可できることとなりました。

今回の改訂にあたっては、引き続き、社会経済状況や国民のまちづくりに対する意識の変化に応じて制度(基準)の改正がなされることに迅速に対応すること及び多数の人に利用できるよう、電子化による情報提供方法を採用することといたしました。

作成にご尽力いただいた関係者及びご意見を寄せられました皆様のご協力に感謝申し上げます。

 最後に、「本手引き」が県民皆様をはじめ関係各位の開発許可制度に対する理解の一助として、又利用の円滑化に資することを祈念いたします。

平成21年3月吉日

長崎県土木部まちづくり推進局建築課長 安武 清