5章 市街化調整区域に係る基準
 1節 立地基準

5-1-3(1) 公共公益施設、日常生活店舗等(法第34条第1号、令第29条の5、令第21条第26号)
1.公共公益施設
 学校、社会福祉施設、医療施設、庁舎等の公共公益施設は、一般に住民等の利便に配慮して建設されることから、市街化調整区域内に立地する際には、周辺に一定の集落等が形成されているような場所に、規模の小さいものが立地することを想定し、無秩序な市街化の促進を引き起こさないものとして開発許可が不要とされていた。しかしながら、モータリゼーションの進展等に伴う生活圏の広域化と相対的に安価な地価等を背景として、市街化調整区域において、これらの公共公益施設が当初想定されていたような立地場所の範囲を超えて、周辺の土地利用に関わりなく無秩序に立地し、あるいは、周辺の集落等へのサービスの供給を超えて、広域から集客するような大規模な公共公益施設が立地する事態が多数出現している。

 そのため、本号に該当する公共公益施設としては、当該開発区域の周辺の市街化調整区域に居住する者を主たるサービス対象とすると認められるものに限定され、いわゆる生活関連施設である以下のものは、本号に基づく許可対象となる。
 なお、本号に該当しない施設(高等学校、社会福祉施設、病院)等については、法第34条第14号で許可の対象となるものもある。
①学校で、次の各号に適合するもの。
 イ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校又は幼稚園であり、同法第4条に規定する認可を受けることが確実なもの。
 ロ 主として周辺の市街化調整区域内において居住している者の利用に供するものであること。
 ハ 当該学校区等の住戸数及び当該学校施設の機能等に照らして規模、設計、配置及び内容などが適切であること。
 ニ 原則として、地方公共団体が設置するものであること。
 ホ 立地については、当該市街化調整区域を所管する市町と立地についての協議を行うこと。
②社会福祉施設等で、次の各号に適合するもの。
イ 社会福祉事業施設で当該施設の周辺地域に居住している者のための下記の施設
 ・保育所(保育所型「認定こども園」を含む。)
 ・放課後児童クラブ
 ・助産施設
 ・地域密着型介護老人福祉施設(特別養護老人ホームで入居定員29名以下のもの)
 ・養護老人ホーム、軽費老人ホームで地域密着型特定施設の指定を受けたもの(入居定員29名以下のもの)
ロ 設置及び運営について、当該社会福祉施設を所管する部局との協議を了していること。
ハ 主として周辺の市街化調整区域内において居住している者の利用に供するものであること。
ニ 原則として、自己の業務用であること。また、当該業務を行い得ることが証されるものであること。
ホ 階数は、2以下であること。
ヘ 立地については、当該市街化調整区域を所管する市町と立地についての協議を行うこと。
③医療施設で、次の各号に適合するもの。
イ 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第2項に規定する診療所又は同法第2条第1項に規定する助産所の用に供するものであること。

ロ 設置及び運営について、当該医療施設を所管する部局との協議を了していること。
ハ 主として周辺の市街化調整区域内において居住している者の利用に供するものであること。
ニ 医療法に規定する医療施設としての開設許可の取得又は開設届けの受理が確実なものであること。
ホ 設置者については、自己の業務用であり、当該業務を行い得ることが証されるものであること。
ヘ 階数は、2以下であること。
ト 立地については、当該市街化調整区域を所管する市町と立地についての協議を行うこと。
≪留意点≫
A ①(イ)、②(イ)、(ロ)、③(イ)、(ロ)については、当該施設を所管する部局の意見書により確認する。
B ②(イ)の規定は、単に事務所としての用に供する等、施設内において福祉的利用がなされないものを除く。ただし、他の福祉的利用の用に供する施設と併用して立地する場合は、この限りでない。
C ①(ロ)(ハ)、②(ハ)及び③(ハ)については、個別判断とする。

2.日常生活店舗等
① 許可不要のもの
 次のすべてに該当するものは、法第29条第1項第11号により許可不要で 建築できる。
イ 開発区域周辺の市街化調整区域内に居住している者が自ら業務を営むためのものであること。

ロ 日常生活に必要な物品の販売、加工、修理等(物品にかかわらないサービス業などは除く。)の用途の建築物で、延べ面積が50㎡以内であり、かつ、その業務の用に供する部分の延べ面積が1/2以上であること。
ハ 開発行為がある場合は、開発区域が100㎡以内であること。
② 許可対象のもの
○次のイからロの全てに該当するものは、法34条第1項第1号に該当するもので、許可を得る必要がある。
イ 立地基準
 A 34条1号店舗の業種が一般の物品販売店舗である場合、店舗予定地を中心に半径1km以内の市街化調整区域に50以上の建築物が存すること。
 例:店舗業種が一般の物品販売店舗で コンビニ、日用品販売(雑貨店)店舗。
 B 34条1号店舗の業種が一般の物品販売業以外で、主として調整区域居住者のサービスを主体とする場合、店舗予定地を中心に半径1km以内に50戸以上の住宅が存すること。
 例:・専門店及び専門のサービス
 ・肉屋、魚屋、八百屋のように専門の食材等を販売する店舗。
 ・美容店、理容店、整骨院、「郵便の業務」の用に供する施設等のサービスを提供する店舗。
 ・自動車修理工場、船舶修理工場等の調整区域で利用される機械等の修理を行う店舗。
ロ 規模等
 A 敷地面積 : 500㎡以下
 B 店舗延床面積:200㎡以下
 C 階数 : 2階以下
 D 最高高さ : 10m以下
ハ 店舗の管理部門併設の基準
 A 併設する管理部門は、店舗延床面積の1/2以下で、かつ100㎡以下であること。
 B 管理部門を別棟とすることは出来ない。
 C 管理部門を管理住宅することは妨げないが、自己の居住用のための住宅(内部間仕切り等で直接行き来が出来ないものは除く。)に限定される。
ニ 立地の協議について
 立地については、当該市街化調整区域を所管する市町の都市計画部局とその必要性についての協議を行うこと。
 特に、同一用途が複数立地する計画については、当該調整区域に真に必要な店舗であるか検討を行うこと。 
ホ その他
 敷地の周囲に植栽など、周辺に配慮した計画であり、かつ公共下水道整備区域を除き、生活排水の適切な処理のための合併浄化槽設置、油分が排水に含まれる場合は油水分離槽設置するなど、適切な放流先が確保された排水処理施設を有していること。また、市町の土地利用計画及び市町の基本計画に支障をきたさないものであること。

法第34条(開発許可の基準)

一 主として当該開発区域の周辺の地域において居住している者の利用に供する政令で定める公益上必要な建築物又はこれらの者の日常生活のため必要な物品の販売、加工若しくは修理その他の業務を営む店舗、事業場その他これらに類する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
令第29条の5
(主として周辺の地域において居住している者の利用に供する公益上必要な建築物)
 法第34条第1号(法第35条の2第4項において準用する場合を含む。)の政令で定める公益上必要な建築物は、第21条第26号イからハまでに掲げる建築物とする。

令第21条
(適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がない公益上必要な建築物)
 二十六 国、都道府県等(法第34条の2第1項に規定する都道府県等をいう。)、市町村(指定都市等及び事務処理市町村を除き、特別区を含む。)、市町村がその組織に加わっている一部事務組合若しくは広域連合又は市町村が設置団体である地方開発事業団が設置する研究所、試験所その他の直接その事務又は事業の用に供する建築物で次に掲げる建築物以外のもの
イ 学校教育法第1条に規定する学校、同法第82条の2に規定する専修学校又は同法第83条第1項に規定する各種学校の用に供する施設である建築物
ロ 社会福祉法による社会福祉事業又は更生保護事業法による更生保護事業の用に供する施設である建築物
ハ 医療法第1条の5第1項に規定する病院、同条第2項に規定する診療所又は同法第2条第1項に規定する助産所の用に供する施設である建築物
<参考:法第29条第1項第11号、令第22条第6号>

法第29条(開発行為の許可)

  ……開発行為をしようとする者は、あらかじめ、……都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。

十一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で令で定めるもの

令第22条(法第29条第1項第11号の令で定める開発行為)

 法第29条第1項第11号の令で定める開発行為は、次に掲げるものとする。
六 主として当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場その他これらの業務の用に供する建築物で、その延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物を新築する場合においては、その延べ面積の合計。以下この条及び第35条において同じ。)が50㎡以内のもの(これらの業務の用に供する部分の延べ面積が全体の延べ面 積の50%以上のものに限る。)の新築の用に供する目的で当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に 居住している者が自ら当該業務を営むために行う開発行為で、その規模が100㎡以内であるもの