3章 開発許可の技術基準
 申請に係る開発行為が、次の基準に適合し、かつ、その申請の手続きがこの法律及びこの法律に基づく命令の規定に
違反しないと認められることが必要である。
 なお、市街化調整区域における開発行為については、5章の市街化調整区域に係る基準にも適合しなければならない。
技術基準の適用関係一覧表
技術基準 建築物 第一種
特定工作物
第二種
特定工作物
(法第33条第1項各号) 非自己用 自己用 非自己用 自己用 非自己用 自己用
3−1用途地域等への適合
3−2公共空地の確保等 居住用
×
業務用
3−3排水施設
3−4給水施設 居住用
×
業務用
3−5地区計画
3−6公益的施設
3−7防災・安全措置
3−8災害危険区域等の除外 × × ×
3−9樹木の保存・表土の保全
3−10緩衝帯
3−11輸送施設
3−12申請者の資力・信用 居住用
×
業務用
3−13工事施行者の能力 居住用
×
業務用
3−14関係権利者の同意
注) ○は適用, ×は適用除外, ■は主として住宅の建築を目的とする場合適用
  △は開発区域の面積(1ha以上),※は開発区域の面積(40ha以上)により適用

3−1 用途地域等への適合(法第33条第1項第1号)
 開発区域内の土地について、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、流通業務地区又は港湾法第39条第1項の分区(以下「用途地域等」という。)が定められているときは、予定建築物等の用途がこれに適合していること。
 平成19年11月30日の都市計画法の一部改正により第2種住居地域、準住居地域及び工業地域において店舗等の床面積の合計が1万uを超えるもの(大規模集客施設)は、立地が原則不可となった。
 また、非線引き都市計画区域内の白地地域や準都市計画区域においても大規模集客施設の立地は原則不可である。

3−2 公共空地の確保等(法第33条第1項第2号)
 主として自己の住宅の建築の用に供する開発行為以外の開発行為にあっては、道路公園消防水利施設等の公共空地が次に掲げる事項を勘案して、環境保全上、防災上、通行の安全上又は事業活動の効率上、支障のない規模、構造で適切に配置され、かつ、開発区域内の道路が開発区域外の相当規模の道路に接続されていること。

 また、当該空地に関する都市計画が定められているときは、これに適合していること。
1.開発区域の規模、形状及び周辺の状況
2.開発区域の土地の地形及び地盤の性質
3.予定建築物等の用途
4.予定建築物等の敷地の規模及び配置

3−2−1 道路に関する基準(政令第25条第1項第2〜5号、第29条)
 開発区域に設ける道路の計画、街区の設定等は、都市計画道路の計画を取り入れ、開発区域外にある既存道路に開発区域内の道路を接続する場合にもそれぞれの機能の確保に留意すること。

1.道路幅員の定義
 道路幅員のとり方は、下記ファイルによる。

幅員のとり方(PDF/21.3KB)

2.敷地が接する道路の基準(令25条第1項第2、5号)
令第25条(開発許可の基準を適用するについて必要な技術的細目)

二 予定建築物等の用途、予定建築物等の敷地の規模等に応じて、6m以上12m以下で規則で定める幅員(小区間で通行上支障がない場合  は、4m)以上の幅員の道路が当該予定建築物等の敷地に接するように配置されていること。ただし、開発区域の規模及び形状、開発区域の周辺の土地の地形及び利用の態様等に照らして、これによることが著しく困難と認められる場合であって、環境の保全上、災害の防止上、通行の安全上 及び事業活動の効率上支障がないと認められる規模及び構造の道路で規則で定めるものが配置されているときは、この限りでない。

五 開発区域内の幅員9m以上の道路は、歩車道が分離されていること。
(説明)
@ この規定は、開発による建築物の敷地が接することとなる道路の最小限を規定している。
従って、開発区域内の各敷地が接する区画又は幹線道路に適用される。併せて、単体的な(自己の業務用)開発に見られるような開発区域外の既存の道路に接する場合の既存道路の幅員を定めている。 
A「小区間で通行の支障がない場合」とは、(分譲)住宅地の開発の場合は、幹線及び主要道路以外の道路であってもっぱらその利用者が当該道路に面する敷地の居住者等に限定される場合をいい、当該道路に接する宅地の合計がおおむね1000uまでとする。
B幅員9m以上の道路にあっては車道については幅員6m以上を確保し、歩道については少なくとも片側に2mを設置することを義務付けている。

開発区域内の道路幅員(参考基準)

規則第20条(規則で定める道路幅員)

 令第25条第2号の規則で定める道路の幅員は、住宅の敷地又は住宅以外の建築物若しくは第一種特定工作物の敷地でその規模が1,000u未満のものにあっては6m、その他のものにあっては9mとする。

規則第20条の2(令第25条第2号ただし書の規則で定める道路)

 令第25条第2号ただし書の規則で定める道路は、次に掲げる要件に該当するものとする。
一 開発区域内に新たに道路が整備されない場合の当該開発区域に接する道路であること。
二 幅員が4m以上であること。
(説明)
 ◇令第25条第2号ただし書の「環境の保全上、災害の防止上、通行の安全上及び事業活動の効率上支障がない」については
@ 環境保全:良好な市街地の環境を確保する観点から、日照、通風、採光等の点で支障がないこと。

A 災害の防止:延焼の恐れのないこと、かつ、避難活動上支障がなく並びに消防活動上支障がないこと。
  (消防ポンプ車が進入可能であること。消防水利が適切に確保されていること。)

B 通行の安全:通過交通がなく、かつ、一日当たりの車両の交通量も少なく、歩行者の数が多くないこと。
  (商店が連担して多数の買い物客が往来する道路や多数の者の通勤、通学の用に供されている駅周辺の道路等は該当しないと考えられる。)
 建築物の用途が、多数の車両の出入りが見込まれないもの。(デパート、トラックターミナル等の大規模商業施設、大規模流通業務施設は該当しない。)

C 事業活動の効率:業務用の開発行為の場合に、事業活動の支障を生じないこと。

3.開発区域内の主要な道路が接続する道路の幅員(令第25条第4号)
令第25条

 四 開発区域内の主要な道路は、開発区域外の幅員9m(主として住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為にあっては、6.5m)以上の道路(開発区域の周辺の道路の状況によりやむを得ないと認められるときは、車両の通行に支障がない道路)に接続していること。 
(説明)
この規定は、新たに設置される開発区域内の道路が接続する既存の道路について規定している。併せて、既存道路に開発区域が接する場合で当該既存道路からの接続(区画)道路を設ける場合に適用される。

「開発区域の周辺の道路の状況によりやむを得ないと認められるときは、車両の通行に支障ない道路」とは、開発区域の面積、予定建築物の用途等を考慮し次の要件による道路をいう。
@ 将来(開発行為の完了時までに)拡幅(9m又は6.5m)の計画がある道路で現在4m以上の公道

A 将来、規定の道路幅員(9m又は6.5m)が計画されているもので、他端が4m以上の現道に接続している道路
B 建築基準法第42条第1項第5号に適合している道路
C 4m以上の公道で、道路管理者が車両の通行に支障がないと認めて同意したもの。

4.構造等(規則第24条第1〜7号)
令第29条

 第25条から前条までに定めるもののほか、道路の勾配、排水の用に供する管渠の耐水性等法第33条第1項第二号から第四号まで及び第七号(これらの規定を法第35条の2第4項において準用する場合を含む。)に規定する施設の構造又は能力に関して必要な技術的細目は、国土交通省で定める。

規則第24条(道路に関する技術的細目)

 令第29条の規定により定める技術的細目のうち、道路に関するものは、次に掲げるものとする。
一 道路は、砂利敷その他の安全かつ円滑な交通に支障を及ぼさない構造とし、かつ、適当な値の横断勾配が附されていること。
二 道路には、雨水等を有効に排出するため必要な側溝、街渠その他の適当な施設が設けられていること。
三 道路の縦断勾配は、9%以下であること。ただし、地形等によりやむを得ないと認められる場合は、小区間に限り、12%以下とすることができる。
四 道路は、階段状でないこと。ただし、もっぱら歩行者の通行の用に供する道路で、通行の安全上支障がないと認められるものにあっては、この限りでない。
五 道路は、袋路状でないこと。ただし、当該道路の延長若しくは当該道路と他の道路との接続が予定されている場合又は転回広場及び避難通路が設けられている場合等避難上及び車両の通行上支障がない場合は、この限りでない。
六 歩道のない道路が同一平面で交差し、若しくは接続する箇所又は歩道のない道路のまがりかどは、適当な長さで街角が切り取られていること。
七 歩道は、縁石線又はさくその他これに類する工作物によって車道から分離されていること。
(説明)
<規則 第24条第1号>
・ 砂利敷の仕上厚さは10cm以上とし、路盤が軟弱な場合路床土の入れ替えを行い、切込砕石を用い充分締め固めを行う。
・ 道路の横断勾配は次表を標準とする。

■ 開発区域内の道路の横断勾配
道 路 区 分 横断勾配
車   道 コンクリート舗装

アスファルト舗装
1.5%〜2%
 
  その他 2%〜3%
     歩   道 2%
 ・ 道路の最小曲線中心半径は15m以上とする。ただし、地形の状況その他の特別な理由によりやむを得ない場合は、10%の最大片勾配とし、13m以上とする。
<規則 第24条第3号>
・ 横断勾配が9%を超える道路は、すべり止め舗装等安全上必要な措置を講じる。
<規則 第24条第4号>
・ 階段状の道路が認められるのは、専ら歩行者の通行に供する小区間(街区の短辺程度)のもので次に掲げる基準に適合している場合とする。
A 階段のけあげの寸法は15cm以下、踏面の寸法は30cm以上とする。

B 垂直高さが4mを越える場合は、4m以内毎に踏面1.5m以上の踊り場を設けるもの
C その他、通行の安全上必要な施設を設けたもの
<規則 第24条第5号>
・ 開発区域内の道路は、次のいずれかに該当するもので、災害の防止上、避難上及び通行の安全上支障がないと認められるもの以外は、袋路状としてはならない。
A 先端部に転回広場及び避難通路等が有効に設けられているもの
B 先端部が公園、広場等公共の用に供する空地(通り抜けできるものに限る)に接続しているもの
C 他の道に接続が予定されているもの
<規則 第24条第6号>
・ 道路の交差点に設けるすみ切り長さは、後述するすみ切り長さ規定表による

転回広場解説図(PDF/14.2KB)

転回広場解説図(PDF/16.3KB)
[終端転回広場の緩和]

すみ切り長さ規定表(PDF/13.5KB)

3−2−2 公園、緑地、広場に関する基準(法第33条第1項第2号)
 公園、広場、緑地について、次に掲げる事項を勘案して、適切に設計が定められていること。
 ただし、当該空地に関する都市計画が定められているときは、設計がこれに適合していること。
@    開発区域の規模、形状及び周辺の状況
A    開発区域の土地の地形及び地盤の性質
B    予定建築物等の用途
C    予定建築物等の敷地の規模及び配置
令第25条(開発許可の基準を適用するについて必要な技術的細目)

六 開発区域の面積が 0.3ha以上5ha未満の開発行為にあっては、開発区域に、面積の合計が開発区域の面積の3%以上の公園、緑地又は広場が設けられていること。ただし、開発区域の周辺に相当規模の公園、緑地又は広場が存する場合、予定建築物等の用途が住宅以外のものであり、かつ、その敷地が一である場合等開発区域の周辺の状況並びに予定建築物等の用途及び敷地の配置を勘案して特に必要がないと認められる場合は、この限りでない。

七 開発区域の面積が5ha以上の開発行為にあっては、規則で定めるところにより、面積が一箇所300u以上であり、かつ、その面積の合計が開発区域の面積の3%以上の公園(予定建築物等の用途が住宅以外のものである場合は、公園、緑地又は広場)が設けられていること。

1.公園等の設置基準<政令第25条第6、7号><規則第21条(公園の設置基準)>
開発区域の面積 公園等面積の割合 設置内容 備考
0.3〜1ha未満  開発区域面積の3%以上 1箇所90u以上の公園、緑地又は広場 予定建築物の用途が住宅以外のものである場合は、公園、緑地又は広場で可

予定建築物の用途が住宅の場合、「公園」を設置すること。この場合、緑地・広場は3%に算入できない。
1 〜 5ha未満 1箇所150u以上の公園、緑地又は広場
5 〜 20ha未満 1000u以上の公園を1箇所以上設置し、それ以外の公園は1箇所300u以上とする。
20ha以上 1000u以上の公園を2箇所以上設置し、その他の公園は1箇所300u以上とする。

2.公園等の設置緩和基準
 政令第25条第6号ただし書きの「開発区域の周辺に相当規模の公園、緑地又は広場が存する場合」の取扱い基準は、次の各号に該当するものとする。
・開発区域の面積は0.3〜5.0ha未満とすること。
・開発区域の周辺に既に存する相当規模の公園の面積が0.25ha以上であり、当該公園内に幼児及び児童の遊び場が設けられていること。
・既に存する相当規模の公園から開発区域の最遠部に位置する敷地までの距離が概ね250m以内であること。


3.公園の構造
規則第25条(公園に関する技術的細目)

 令第29条の規定により定める技術的細目のうち、公園に関するものは、次に掲げるものとする。
一 面積が1,000u以上の公園にあっては、二以上の出入口が配置されていること。
二 公園が自動車交通量の著しい道路等に接する場合は、さく又はへいの設置その他利用者の安全の確保を図るための措置が講ぜられていること。
三 公園は、広場、遊戯施設等の施設が有効に配置できる形状及び勾配で設けられていること。
四 公園には、雨水等を有効に排出するための適当な施設が設けられていること。
(説明)公園として有効に利用できる敷地の平均勾配は15度、緑地にあっては30度をそれぞれ越えないこと。
 
3−2−3 消防水利に関する基準(法第33条第1項第2号、令第25条第8号)
令第25条(開発許可の基準を適用するについて必要な技術的細目)

八 消防に必要な水利として利用できる河川、池沼その他の水利が消防法第20条第1項の規定による勧告に係る基準に適合していない場合において設置する貯水施設は、当該基準に適合しているものであること。
注) 法文は公共の用に供する空地である貯水施設についての規定であるが、当該貯水施設に係る消火栓を設ける場合、当該消火栓についても当然に「消防水利の基準」に適合していることが必要となる。すなわち、消火栓、貯水池等を含めて開発区域内の消防水利がこの基準に適合するように設けられていればよいこととなる。

 消防水利の基準(昭和39年消防庁告示第7号)
     (消防法第20条第1項の規定による勧告)

第1条(目的)
  この基準は、市町村の消防に必要な最小限の水利について定めるものとする。

第2条(消防水利の定義)
 この基準において、消防水利とは、消防法第20条第2項に規定する消防に必要な水利施設及び同法第21条第1項の規定により消防水利として指定されたものをいう。

2 前項の消防水利を例示すれば、次のとおりである。
一 消火栓  
二 私設消火栓
三 防火水槽  
四 プール  
五 河川、溝等  
六 濠、池等
七 海、湖  

八 井戸     
九 下水道

第3条(消防水利の給水能力)
 消防水利は、常時貯水量が40m3以上又は取水可能水量が毎分1m3以上で、かつ、連続40分以上の給水能力を有するものでなければならない。
2 消火栓は、呼称65の口径を有するもので、直径150o以上の管に取り付けられていなければならない。ただし、管網の一辺が180m以下となるように配管されている場合は、75o以上とすることができる。
3 私設消火栓の水源は、5個の私設消火栓を同時に開弁したとき、第1項に規定する給水能力を有するものでなければならない。

第4条(消防水利の配置)
 消防水利は、市街地(消防力の整備指針(平成12年消防庁告示第1号)第2条第1号に規定する市街地をいう。以下本条において同じ。)又は準市街地(消防力の基準第2条第2号に規定する準市街地をいう。以下本条において同じ。)の防火対象物から一の消防水利に至る距離が別表に掲げる数値以下となるように設けなければならない

   別表
  ┌─────────────────────────┬────────┬────────┐
  │                   年間平均風速│        │        │
  │用途地域                     │ 4m/sec 未満 │ 4m/sec 以上 │
  ├─────────────────────────┼────────┼────────┤
  │近隣商業地域・商業地域・工業地域・工業専用地域  │  100m  │   80m  │
  ├─────────────────────────┼────────┼────────┤
  │その他の用途地域及び用途地域の定められていない地域│  120m  │  100m  │
  └─────────────────────────┴────────┴────────┘

2 市街地又は準市街地以外の区域で、これに準ずる地域の消防水利は、当該地域内の防火対象物から一の消防水利に至る距離が、140m以下となるように設けなければならない。
3 前2項に定める配置は、消火栓のみに偏することのないように考慮しなければならない。

第5条(消防水利配置の特例)

 消防水利が、指定水量(第3条第1項に定める数量をいう。)の10倍以上の能力があり、かつ、取水のため同時に5台以上の消防ポンプ自動車が部署できるときは、当該水利の取水点から140m以内の部分には、その他の水利を設けないことができる。

第6条(消防水利の構造)
  消防水利は、次の各号に適合するものでなければならない。

 一 地盤面からの落差が4.5m以下であること。
 二 取水部分の水深が0.5m以上であること。
 三 消防ポンプ自動車が容易に部署できること。
 四 吸管投入孔のある場合は、その一辺が0.6m以上又は直径が0.6m以上であること。

第7条(消防水利の管理)
  消防水利は、常時使用しうるように管理されていなければならない。


 消防力の基準(昭和36年消防庁告示第2号)
  (消防法組織法第37条の規定による勧告)

第2条(用語の定義)

  この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 市街地建築物の密集した地域のうち、平均建ぺい率(街区(幅員4m以上の道路、河川、公園等で囲まれた宅地のうち最小の一団地をいう。以下同じ。)における建築物の建築面積の合計のその街区の面積に対する割合をいう。以下同じ。)がおおむね10%以上の街区の連続した区域又は二以上の準市街地が相互に近接している区域であって、その区域内の人口が1万以上のものをいう。
二 準市街地 建築物の密集した地域のうち、平均建ぺい率がおおむね10%以上の街区の連続した区域であって、その区域内の人口が千以上1万未満のものをいう。
三〜七 (略)

3−3 排水施設に関する基準(法第33条第1項3号)
 排水路その他の排水施設が、次に掲げる事項を勘案して、溢水等の被害が生じないよう設計が定められていること。
1.当該地域における降水量
2. 開発区域の規模、形状及び周辺の状況
3.開発区域内の土地の地形及び地盤の性質
4.予定建築物等の用途
5.予定建築物等の敷地の規模及び配置
6.放流先の状況
 法第32条により、同意を得ることを義務づけられている排水施設については、その管理者及び接続する水路の管理者の定める基準による。
 
1.排水施設の構造
令第26条

一 開発区域内の排水施設は、規則で定めるところにより、開発区域の規模、地形、予定建築物等の用途、降水量等から想定される汚水及び雨水を有効に排出することができるように、管渠の勾配及び断面積が定められていること。
二 開発区域内の排水施設は、放流先の排水能力、利水の状況その他の状況を勘案して、開発区域内の下水を有効かつ適切に排出することができるように、下水道、排水路その他の排水施設又は河川その他の公共の水域若しくは海域に接続していること。この場合において、放流先の排水能力によりやむを得ないと認められるときは、開発区域内において一時雨水を貯留する遊水池その他の適当な施設を設けることを妨げない。
三 雨水(処理された汚水及びその他の汚水でこれと同程度以上に清浄であるものを含む。)以外の下水は、原則として、暗渠によって排出することができるように定められていること。
(補足)
・下水とは生活若しくは事業に起因し、若しくは付随する廃水(以下「汚水」という。)又は雨水をいう。
・遊水池のうち、河川改修に代わる洪水調整のための暫定的に設置されるものものを「調整池」といい、将来の下流河川改修計画上河川管理施設として位置づけられるものを「調節池」という。
・「調整池及び調節池」は下流河川改修との関連で設置されることから、法第32条の管理者との協議が必要である。

2.排水施設の設計
令第26条

 一 開発区域内の排水施設は、規則で定めるところにより、開発区域の規模、地形、予定建築物等の用途、降水量等から想定される汚水及び雨水を有効に排出することができるように、管渠の勾配及び断面積が定められていること。
(説明)
・雨水排水施設の管渠の勾配及び断面積は、開発区域の規模、地形を勘案して降雨強度、流出係数を定め計画水量を算定する。

規則第22条(排水施設の管渠の勾配及び断面積)

 令第26条第一号の排水施設の管渠の勾配及び断面積は、5年に1回の確率で想定される降雨強度値以上の降雨強度値を用いて算定した計画雨水量並びに生活又は事業に起因し、又は付随する廃水量及び 地下水量から算定した計画汚水量を有効に排出することができるように定めなければならない。 
(解説)
施設の計画に係る雨水の「計画流出量」及び「排水計画」については、「宅地防災マニュアル」による。
宅地造成工事に際し、排水施設の整備を行う場合は、雨水流出量の計算を行って、排水施設の断面を算定してください。

@計画流出量の算定
計画流出量は次式のとおり、合理式により算定することとします。
Q=1/360×C×I×A
ここに、Q:計画流出量(m3/sec)

    C:流出係数
    I:降雨強度(mm/h)
    A:集水面積(ha)

イ)流出係数Cは、原則として造成工事の区域内は0.9とし、現況の流出量を算出する場合は、宅地及び道路部分が0.9、山林、田、畑等その他の土地にあっては、0.7としますが土地利用状況に応じて協議する。
ロ)降雨強度については、宅地内の排水施設の計算を行う場合にあっては到達時間10分とし5年確率以上とします。
※流出係数、降雨強度については、既存の道路、河川及び水路の改修等を行う公共施設管理者が指定する場合にあっては、その指定する数値とする。

A流下能力の算定
 排水路の流下断面は次式のとおり、マニングの式により算出することとします。
Q=A×V  V=1/n×R2/3×I1/2
ここに、Q:計画流出量(m3/sec)     I:排水路勾配
    n:粗度係数(下表による)    V:流速(m/sec)
    A:流路断面積(u)       S:潤辺長(m)=2H+B
    R:径深(m)=A/S




管種別粗度係数
管    種 粗度係数n
陶  管
鉄筋コンクリート管渠などの工業製品
現場打ち鉄筋コンクリート管渠
硬質塩化ビニル管
強化プラスチック複合管
0.013
0.013
0.013
0.010
0.010
※流下断面について、一般的に開水路の場合は8割水深、管路の場合は満流状態とする。
※排水路勾配の設定に当たっては、排水路の磨耗や土砂堆積が生じないよう配慮してください。開水路においては、流速は原則として3.0m/sec以下になるように計画し、これを超える場合は、溜ますの設置や階段工にて、流速低減の措置を講じる。

規則第26条(排水施設に関する技術的細目)

 令第29条の規定により定める技術的細目のうち、排水施設に関するものは、次に掲げるものとする。
一 排水施設は、堅固で耐久力を有する構造であること。
二 排水施設は、陶器、コンクリート、れんがその他の耐水性の材料で造り、かつ、漏水を最小限度のものとする措置が講ぜられていること。ただし、崖崩れ又は土砂の流出の防止上支障がない場合においては、専ら雨水その他の地表水を排除すべき排水施設は、多孔管その他雨水を地下に浸透させる
機能を有するものとすることができる。
三 公共の用に供する排水施設は、道路その他排水施設の維持管理上支障がない場所に設置されて
いること。
四 管渠の勾配及び断面積が、その排除すべき下水又は地下水を支障なく流下させることができるもの(公共の用に供する排水施設のうち暗渠である構造の部分にあっては、その内径又は内法幅が、20cm以上のもの)であること。
五 専ら下水を排除すべき排水施設のうち暗渠である構造の部分の次に掲げる箇所には、ます又はマンホールが設けられていること。
イ 管渠の始まる箇所
ロ 下水の流路の方向、勾配又は横断面が著しく変化する箇所(管渠の清掃上支障がない箇所を除く。)。
ハ 管渠の長さがその内径又は内法幅の120倍を超えない範囲内の長さごとの管渠の部分のその清掃上適当な場所
六 ます又はマンホールには、ふた(汚水を排除すべきます又はマンホールにあっては、密閉することができるふたに限る。)が設けられていること。
七 ます又はマンホールの底には、専ら雨水その他の地表水を排除すべきますにあっては深さが15cm以上の泥溜めが、その他のます又はマンホールにあってはその接続する管渠の内径又は内法幅に応じ相当の幅のインバートが設けられていること。
 

3−4 給水施設に関する基準(法第33条第1項4号)
法第33条第1項第4号

四  主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、水道その他の給水施設が、第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、当該開発区域について想定される需要に支障を来さないような構造及び能力で適当に配置されるように設計が定められていること。この場合において、当該給水施設に関する都市計画が定められているときは、設計がこれに適合していること。
 水道及びその他の給水施設が次に掲げる事項を勘案して、開発区域内について想定される需要に支障をきたさない構造及び能力で適切に配置されていること。この場合において当該施設に関する都市計画が定められているときはこれに適合していること。
1.開発区域の規模、形状及び周辺の状況
2.開発区域の土地の地形及び地盤の性質
3.予定建築物等の用途
4.予定建築物等の敷地の規模及び配置
(説明)
 給水施設に関する計画及び設計については、当該開発区域を所管する水道事業者(市町村長)と協議を行うこと。

3−5 地区計画等との整合(法第33条第1項5号)
法第33条第1項第5号

五  当該申請に係る開発区域内の土地について地区計画等(次のイからホまでに掲げる地区計画等の区分に応じて、当該イからホまでに定める事項が定められているものに限る。)が定められているときは、予定建築物等の用途又は開発行為の設計が当該地区計画等に定められた内容に即して定められていること。
イ 地区計画 再開発等促進区若しくは開発整備促進区(いずれも第十二条の五第五項第一号に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は地区整備計画
ロ 防災街区整備地区計画 地区防災施設の区域、特定建築物地区整備計画又は防災街区整備地区整備計画
ハ 歴史的風致維持向上地区計画 歴史的風致維持向上地区整備計画
ニ 沿道地区計画 沿道再開発等促進区(幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第四項第一号 に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は沿道地区整備計画
ホ 集落地区計画 集落地区整備計画
 地区計画等が定められている区域内における土地の区画形質の変更、建築物の建築等の行為については、原則として、届出・勧告制をとることにより、その計画の実現を担保している。しかし、当該土地の区画形質の変更について開発許可が必要な場合は、これらの届出・勧告制度の適用除外とする代わりに開発許可基準に地区計画等に関する基準を設けて、開発許可の段階で地区計画等の計画内容をある程度実現しようとするものである。この場合に「即して定められている」とは、開発行為の設計等が当該地区計画等の内容に正確に一致している場合のほか、正確には一致していないが地区計画等の目的が達成されるよう定められていると認められるものを含む趣旨である。
 なお、開発許可を受けた土地の区域内であっても、建築物の建築等を行う際には、改めて届出・勧告制度の対象となるので注意すること。

(解説)地区計画等とは
1. 地区計画の内、法第12条の5第4項2号に規定する大規模特定建築物の配置が定められている再開発促進区若しくは開発整備促進区又は地区整備計画が定められているもの。
2. 防災街区整備地区計画の内、地区防災施設の区域、特定建築物地区整備計画又は防災街区整備地区整備計画が定められているもの。
3. 沿道地区計画の内、幹線道路の沿道の整備に関する法律第9条第4項第2号に規定する施設の配置及び規模が定められている沿道再開発促進区又は、沿道地区整備計画が定められているもの。
4. 集落地区計画の内、集落地区整備計画が定められているもの。

3−6 公共施設・公益的施設に関する基準(法第33条第1項6号、令第27条)
 開発行為の目的に照らして、開発区域における利便の増進と開発区域及びその周辺の地域における環境の保全とが図られるように公共施設、学校その他の公益的施設及び開発区域において予定される建築物の用途の配分が定められていること。
令第27条

 主として住宅の建築の用に供する目的で行う20ヘクタール以上の開発行為にあっては、当該開発行為の規模に応じ必要な教育施設、医療施設、交通施設、購買施設その他の公益的施設が、それぞれの機能に応じ居住者の有効な利用が確保されるような位置及び規模で配置されていなければならない。ただし、周辺の状況により必要がないと認められるときは、この限りでない。

3−7 宅地の防災に関する基準(法第33条第1項第7号)
 開発区域内の土地が、地盤の軟弱な土地、崖崩れ又は出水のおそれが多い土地その他これらに類する土地であるときは、地盤の改良、擁壁の設置等安全上必要な措置が講じられるように設計が定められていること。(宅地防災マニュアル及び長崎県鉄筋コンクリート造等擁壁の耐震設計基準参照) 
令第28条

一 開発区域内の地盤が軟弱である場合には、地盤の沈下又は開発区域外の地盤の隆起が生じないように、土の置換え、水抜きその他の措置が講ぜられていること。
二 開発行為によって崖が生じる場合においては、崖の上端に続く地盤面には、特別の事情がない限り、その崖の反対方向に雨水その他の地表水が流れるように勾配が付されていること。
三 切土をする場合において、切土をした後の地盤に滑りやすい土質の層があるときは、その地盤に滑りが生じないように、地滑り抑止ぐい又は、グラウンドアンカーその他の土留(次号において「地滑り抑止ぐい等」という。)の設置、土の置換えその他の措置が講ぜられていること。
四 盛土をする場合には、盛土に雨水その他の地表水又は地下水の浸透による緩み、沈下、崩壊又は滑りが生じないように、おおむね30cm以下の厚さの層に分けて土を盛り、かつ、その層の土を盛るごとに、これをローラーその他これに類する建設機械を用いて締め固めるとともに、必要に応じて地滑り抑止ぐい等の設置その他の措置が講ぜられていること。
五 著しく傾斜している土地において盛土をする場合には、盛土をする前の地盤と盛土とが接する面が滑り面とならないように、段切りその他の措置が講ぜられていること。

六 開発行為によって生じたがけ面は、崩壊しないように、規則で定める基準により、擁壁の設置、石張り、芝張り、モルタル吹付けその他の措置が講ぜられていること。
七 切土又は盛土をする場合において、地下水により崖崩れまたは土砂の流出が生じるおそれがあるときは、開発区域内の地下水を有効に排出することができるように国土交通省令で定める排水施設が設置されていること。

規則第23条(がけ面の保護)

がけ面の保護(1) (PDF/24.5KB)

がけ面の保護(2) (PDF/30.8KB)


規則第27条(擁壁に関する技術的細目)

 第23条第1項の規定により設置される擁壁については、次に定めるところによらなければならない。
一 擁壁の構造は、構造計算、実験等によって次のイからニまでに該当することが確かめられたものであること。
 イ 土圧、水圧及び自重(以下この号において「土圧等」という。)によって擁壁が破壊されないこと。
 ロ 土圧等によって擁壁が転倒しないこと。
 ハ 土圧等によって擁壁の基礎がすべらないこと。
 ニ 土圧等によって擁壁が沈下しないこと。
二 擁壁には、その裏面の排水をよくするため、水抜穴が設けられ、擁壁の裏面で水抜穴の周辺その他必要な場所には、砂利等の透水層が設けられていること。ただし、空積造その他擁壁の裏面の水が有効に排水できる構造のものにあっては、この限りでない。
2 開発行為によって生ずるがけのがけ面を覆う擁壁で高さが2メートルを超えるものにつては、建築基準法施行令第142条(同令第7章の5の準用に関する部分を除く。)の規定を準用する。
 
※構造計算で採用する摩擦係数は、宅地造成等規制法施行令を参照するため留意のこと。
※透水マット技術マニュアルはこちら

3−8 災害危険区域等(法第33条第1項第8号)
法第33条第1項第8号

八  主として、自己の居住の用に供する住宅の建築又は住宅以外の建築物若しくは特定工作物で自己の業務の用に供するものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、開発区域内に建築基準法第三十九条第一項 の災害危険区域、地すべり等防止法 (昭和三十三年法律第三十号)第三条第一項 の地すべり防止区域、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 (平成十二年法律第五十七号)第八条第一項 の土砂災害特別警戒区域その他政令で定める開発行為を行うのに適当でない区域内の土地を含まないこと。ただし、開発区域及びその周辺の地域の状況等により支障がないと認められるときは、この限りでない。
 本号は原則として、開発区域内に建築基準法による災害危険区域、地すべり等防止区域、土砂災害防止法(平成13年4月1日施行)による特別警戒区域及び急傾斜地崩壊危険区域内の土地を含んではならないことを規定したものである。これらの区域についてはそれぞれの規制法によって必要な危険防止措置が定められているが、開発許可制度においてもそうした区域において市街化を進展させる行為を抑止しようというのが本号のねらいである。開発区域内に上記区域を含む場合については、砂防担当部局と協議をすること。

3−9 樹木の保存・表土の保全に関する基準(法第33条第1項第9号)
  (1ha以上の開発行為に限る)
法第33条第1項第9号

九  政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、開発行為の目的及び第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。
1.樹木の保存
 「保存の措置」とは、保存対象樹木又はその集団をそのまま存置しておくことで、地区内での移植又は植樹をさしているのではない。
 なお、令第28条の2の「集団」とは、一団の樹林地でおおむね10u当たり樹木が1本以上の割合で存する場合を目途とする。また、「健全な樹木」とは、枯れていないこと、病気(松食虫、落葉病等)がないこと、主要な枝が折れていない等樹容が優れていることにより判断すること。
 「保存の措置」を行わないことができるのは、次のような場合である。
@ 開発区域の全域にわたって保存対象樹木が存在する場合
 土地利用計画上公園、緑地等として定められている部分以外は、講じなくても差し支えない。
A 開発区域の全域ではないが、公園、緑地等の計画面積以上に保存対象樹木がある場合
 
原則的に樹木の濃い土地の部分を公園、緑地等として活用し、それ以外の樹木は保存の措置を講じなくても差し支えない。
B 南下がり斜面の宅地予定地に保存対象樹木がある場合
 南下がり斜面は、一般的に宅地としての利用が最も望ましい部分であり、公園等として活用できる土地が他にある場合、樹木の保存措置を講ずる公園等として活用しなくても差し支えない。
C その他土地利用上やむを得ないと認められる場合

2.表土の保全
 「表土」とは、通常、植物の生育にかけがえのない有機物質を含む表層土壌のことをいう。  令第28条の2第2号で対象面積を1m以上の切土又は盛土を行う部分が1,000u以上と定めているが、面積のとり方は開発区域内で1m以上の切土又は盛土を行う部分の面積の合計を用い、必ずしも一団となっている必要はない。
 表土の保全方法には、次のような方法がある。
@ 表土の復元
 開発区域内の表土を造成工事中まとめて保存し、粗造成が終了する段階で、必要な部分に復元することをいい、厚さは20〜40cm程度とする。(図3−64を参照)
A 客土
 開発区域外の土地の表土を採掘し、その表土を開発区域内の必要な部分におおうことをいう。
B 土壌の改良
 土壌改良剤と肥料を与え、耕起することをいう。
 上記A、Bは、表土の復元の次善の措置であり、表土の復元の措置が講じられない場合の代替措置として考えられるものである。また、表土の復元又は客土等の措置を講じてもなお植物の生育を確保することが困難であるような土質の場合には、その他の措置として次のような措置をあわせ講ずるものとする。
イ リッパーによる引掻き ………… 土壌を膨軟にする。
ロ 発破使用によるフカシ ………… 土壌を膨軟にする。
ハ 粘土均し ………………………… 保水性の悪い土壌の改良
 表土の採取については、傾斜角度20度以上の急斜面等工法上困難な場合、採取対象から除いて差し支えない。
 盛土のみによる開発行為については、客土又は土壌の改良等による措置が、また、切土のみによる開発行為については、土壌改良等の措置が考えられる。

3−10 緩衝帯の配置に関する基準(法第33条第1項第10号)
(1ha以上の開発行為に限る)
法第33条第1項第10号

十  政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、騒音、振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩衝帯が配置されるように設計が定められていること。

第二号
イ 開発区域の規模、形状及び周辺の状況
ロ 開発区域内の土地の地形及び地盤の性質
ハ 予定建築物等の用途
ニ 予定建築物等の敷地の規模及び配置
 緩衝帯の設置により、騒音、振動等の環境障害をすべて防止しようとする趣旨ではなく、予定建築物等の騒音源、振動源等が開発行為の申請時点では必ずしも具体的に把握できないということから、開発行為の段階で騒音、振動等に対する公害対策のための余地を残しておくのがこの基準のねらいであり、具体的な環境悪化に対する防止策については、工場立地法、森林法、騒音規制法、水質汚濁防止法等による。

1.緩衝帯の設置
@市町村が工場誘致のため造成する工場団地のように、開発許可の申請時点で予定建築物の詳細がわからず、騒音や振動等の把握ができない場合には、緩衝帯を設けるものとする。
A開発許可の申請以前に工場立地法、森林法、騒音規制法、水質汚濁防止法等が要求する措置に照らして、本条に基づく緩衝帯の全部又は一部が必要ないと判断された場合は、その部分について、緩衝帯の設置を要しない。
B緩衝帯を設け完了した開発行為について、その後、工場立地法、森林法、騒音規制法、水質汚濁防止法等により緩衝帯の全部又は一部が必要ないと判断された場合には、その部分を緩衝帯として利用しないことができる。

2.緩衝帯の配置、構造
 緩衝帯は、開発区域の境界の内側にそって設置されるものであり、その構造については、開発行為の段階では開発区域内にその用地を確保していれば足りる。また、緩衝帯は公共用地ではなく、敷地の一部となるので、その区域を明らかにしておく必要がある。その方法としては、緩衝帯の境界に縁石を設置し、又は境界杭を打設すること等が考えられる。

3.緩衝帯幅員の緩和
 開発区域の周辺に公園、緑地、河川等緩衝効果を有し、かつ、その存続が将来にわたって保証されるものにあっては、緩衝帯の設置の規定が緩和される。その他、緩衝効果を有するものは、池、沼、海、植樹のされた大規模な街路、のり面である。これらについては、その幅員の2分の1を緩衝帯の幅員に算入することができる。

緩衝帯の幅員
開発行為の規模(ha) 緩衝帯の幅員
1.0〜1.5   未満

1.5〜5.0   未満

5.0〜15.0  未満

15.0〜25.0 未満

25.0〜
4m 以上

5m 以上

10m以上

15m以上

20m以上

3−11 大規模開発における輸送施設(法第33条第1項第11号)
法第33条第1項第10号

十 政令で定める規模以上の開発行為にあつては、当該開発行為が道路、鉄道等による輸送の便等からみて支障がないと認められること。
 40ha以上の開発行為にあっては道路、鉄道による輸送の便を考慮し、特に必要があると認められる場合には鉄道施設の用に供する土地を確保するなどの措置を講ずることが必要となる。

3−12 申請者の資力・信用(法第33条第1項第12号)
(非自己用及び1ha以上の自己業務用の開発行為に限る)
申請者に、当該工事を行うために必要な資力及び信用があること。

2−2−3 申請者の資力・信用も参照のこと)

→「申請者の資力及び信用に関する申告書」により判断する。
 
3−13 工事施行者の工事完成能力(法第33条第1項第13号)
(非自己用及び1ha以上の自己業務用の開発行為に限る)
工事施行者に、当該開発行為に関する工事を完成するために必要な能力があること。

2−2−4 工事施行者の能力も参照のこと)

→「工事施行者の能力に関する申告書」により判断する。  

3−14 関係権利者の同意(法第33条第1項第14号)
法第33条1項14号

 開発行為をしようとする土地若しくは開発行為に関する工事をしようとする土地の区域内の土地又はこれらの土地にある建築物その他の工作物につき当該開発行為の施行又は当該開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有するものの相当数の同意を得ていること。

1.本号にいう「開発行為をしようとする土地若しくは当該開発行為に関する工事をしようとする土地の区域内の土地又はこれらの土地にある建築物その他の工作物」(以下「権利対象物」という。)には、関連工事の区域にあるものが含まれているが、開発区域の周辺及び関連工事の周辺の土地は含まれていない。

2.本号にいう「妨げとなる権利を有する者の相当数の同意」については、権利対象物に関し権利を有する者の全員の同意を得ることが基本であるが、許可が得られるかどうか不明の段階で全員の同意を得ることを要件とするのは開発行為の申請者に対して過大な経済的危険負担を負わしめることとなるおそれがあることから、土地に関しては所有権、永小作権、地上権、賃借権、質権、抵当権、先取特権等で登記簿謄本に記載されている権利を有する者(土地が保全処分の対象となっている場合には、その保全処分をした者を含む。)について、その同意を得た者の割合が、開発区域及び関連工事の区域内の土地のそれぞれについて、次の@からCのすべての要件を満たしている場合には、「妨げとなる権利を有する者の相当数の同意」が得られたものと扱う。

 その際、「権利を有する者」とは、通常、登記簿謄本に記載されている者とする。
@ すべての権利者の、2/3以上の同意を得ていること。
A 土地所有者の、2/3以上の同意を得ていること。
B 借地権者の、2/3以上の同意を得ていること。
C 土地に関する権利について、下式を満たしていること。

(同意した土地所有者権者の地積の合計)+(同意した借地権者の地積の合計)
──────────────────────────────── ≧ 2/3
   (土地の総面積)+(借地権の目的となっている土地の総面積)

3. 土地所有者等の同意が得られないまま開発許可を得た土地については、当該開発者は開発行為の許可を受けたからといって、当該土地について何らの私法上の権限を取得するものでないから、当該土地について権利者の同意を得なければ工事を行うことができないのはいうまでもない。したがってこの場合、開発許可を得たからといって、当該同意を与えていない権利者の権利は、何ら侵害されることにならない。