平成15年度 長崎県公共事業評価監視委員会(第3回)議事録要旨
事 務 局:開会挨拶
土木部長:挨拶
委 員 長:詳細審議10件について、現地調査を踏まえた上での詳細な評価を行います。
農村整備課:農整−3 一般農道整備事業(白似田)
概要説明
A 委 員:用地問題が大体解決の見通しがあるということですから努力してほしい。
F 委 員:相続絡みのものは調停とか審判とかやっていくと、10年かかったりすることもあります
し、全然もくろみ違いということもあり得ますから、手続がどういう段階で、どういうふ
うにもめているのかきちんと調査した上で、手続等も含めていろんな相談を受けてやって
いく必要があると思います。
委 員 長:工事の進捗状況は50%だが、道路自体の進捗は進んでいる。土地の相続問題が解決すれ
ば、工事自体には問題はないという判断で継続とする。
林 務 課:林務−5 森林整備事業(永尾小樽線)
概要説明
B 委 員:近くの林を見ても、間伐されていないために細い木が伸びているという状況で、その整
備のために道路をつくるということですから、必要だという認識はしています。ただ、県
内どこを走っても同じような状況があるわけで、果たして道路をつくれば、植林地が本当
にきれいになるのかどうか、その問題とリンクされるということが条件になってくると思
います。
A 委 員:間伐していないために非常に荒れている状況ですから、何とか早急に林道を整備して間
伐をする。総合的に見れば、この林道の必要性というのは十分わかります。
委 員 長:こういう森林に林道をつくるということで、そこに道ができてU字溝を入れると、サワ
ガニとか、生物が遮断されるということで環境破壊の危惧を感じました。先ほどの説明で、
動物が移動する溝を配慮するという説明ですし、進捗状況は、これからフラットになって
かなり進むという説明ですので、この工事は継続でいいと判断する。原案に環境に配慮し
た形のものを加えて、継続とする。
F 委 員:民有林が多いということは、山林の所有者が間伐をきちんとしないことにはほとんど意
味をなさないわけです。ですから、民間の山の所有者が間伐を推進できるようなソフト、
そういうものを考えながらやっていかないとハードだけつくってもほとんど意味がない、
そういうことがあり得ますので、その点だけはぜひ考慮して、どうやって推進するかも含
めてやっていただければと思います。
水産基盤計画課:水計−1 漁港環境整備事業(長崎漁港)
概要説明
委 員 長:長崎漁港で、山を切り漁港施設に埋めて跡地を宅地造成する予定だったが、周りにかな
り土地が開けてきたので、山を切ってまでする必要もなくなったということで、中止した
いということでした。
A 委 員:時の流れとともに状況も変わってきているし、今さら金をかけてやってみても、利用価
値というのは非常に乏しいと思うから、見直しは適切だと思います。
委 員 長:橋を渡ってこんもりした森があり、あれがあることがかえっていいのではないか。ああ
いう森を削る必要はないし、周りが全部開発されているからむだなので、見直しを図るべ
きという印象を受けましたので、見直しとします。
宇 久 町:水計−3 漁業集落環境整備事業(神の浦漁港)
B 委 員:住民のニーズそのものがなくなってきているということですので、廃止やむなしという
感じがします。代替策としても合併浄化槽等々が十分いい性能のものが出ていますので、
そういう格好で進めていただければいいと思います。
委 員 長:高齢化が進んでいて、老人の一人暮らしが多い。あえてお金を投資してまでやる必要は
ないし、港がかなり汚れていたが、これからは合併浄化槽を個別でつけても、ある程度補
助金をやれば対応できるということで、漁村集落の下水道整備はする必要もないし、今の
状況で推し進めてやっても、そんなに費用対効果は得られないという印象を受けました。
したがいまして、これは見直しとする。
長 崎 市:都計−12 街路事業(出島・南山手地区)
A 委 員:唐人屋敷を使った一つの新しい活力を生もうということですから、いい計画だと思いま
す。家屋が連担しているので用地が大変だという感じがしましたが、事業の成否いかんは、
その辺の理解をいかに求めるかということだと思います。
B 委 員:長崎市の埋もれた観光資源の一つだと思います。今かなり観光客も入ってきていると思
いますので、これを生かすためにも必要だと思います。ただ、車を通すための道路という
ことではなくて、観光資源であるとか、地域活性化という切り口から求められていくべき
ものだろうと思いますので、それと一体として進めていただければと思います。
C 委 員:これはほかの道とつながります。連動すればある程度救急対策にもなると思うので、早
期に連動して、早い救急体制がとれるようになる方がいいと思います。
委 員 長:十人町のかいわいには中国人町があったということを何で売り出さないかと、もう少し
早くやるべきじゃないかという印象を受けています。まだまだ中国の方がおられたという
ムードがたくさん残っていますから、それを活かしたよいまちづくりを推進してもらいた
いということを望みます。
残念なのは、お年寄りが多くて、救急医療のとき大変困ります。そういう点では、なる
だけ早く車がアクセスしやすい道路を整備して、老人の方たちの救急医療体制をぜひ早急
に整備することを望みます。
進捗状況は少し悪いようですが、ぜひ早期の完成をしてもらいたいということで、継続
とする。
港 湾 課:港湾−3 小茂田港改修事業(小茂田地区)
C 委 員:説明の中で、外海が平穏でも小茂田は出ていかれないというぐらい波が荒いので、全体
的な投資効果を考えると、早くつくってあげる方がいいのではないかという事業だと思い
ます。
A 委 員:懸念されます漁業従事者の将来見通しもしっかり持っておられ、説明では100隻余りの
登録漁船もいて頑張っていることですから、何とかしないとせっかくの漁民の意欲がそが
れてしまうというのが現実ですから、継続でいいと思います。
委 員 長:県からは見直しで提案いただいていますが、委員の皆様は継続との発言ですが。
港 湾 課:出口が波で荒れるので、防波堤をつくってほしいという要望をいただいて計画していま
す。その計画を追加したがゆえに事務的には見直しということで出しています。
現地をご覧いただいた方々は、継続的に新しい防波堤を追加してやっていいのではない
かというご意見をいただいたと理解しています。
委 員 長:安全に出入りができるような格好の防波堤を追加してつくりたいという見直しですね。
D 委 員:普通に晴れた日でも波が高くて出漁できない、外海の方が平穏であってもあそこだけが
荒い。漁業従事者の方の安全からすれば、やる気をなくしてしまうことにもなりかねない
ので必要だと思います。
A 委 員:既に立派な防波堤ができていますよね。それを生かすためにも、早くしてやらないとい
けない。
委 員 長:委員の皆様方は見直しもプラスの見直しということで、ぜひ進めてほしいという意見で
すから、原案どおり見直しとする。
河 川 課:河川−1 広域基幹河川改修事業(中島川)
概要説明
委 員 長:眼鏡橋の左岸バイパスは、土地の買収も全部終わり工事に着工するのみになっていると
いう状況です。それと同時に、特殊な工法を使い、近隣の方々等に迷惑をかけないような
工法でやるという説明を受けています。
A 委 員:立派な眼鏡橋をあそこに保存するための計画で、残された左岸バイパスもやらないといけ
ない。幸い最近大きな雨がないからいいようなものの、またいつ来るかわからないわけです
から、できれば早急に、しかし、一方で近隣の方々の理解を求めながら頑張っていただきた
いと思います。
B 委 員:説明会で住民の方々の納得は得られたということですか。
河 川 課:はい。主に反対協議会の人たちと最終的な詰めをやり、安全対策協議会を立ち上げました。
また環境面についていろいろと地元の意見を聞いてほしいということで、中島川全体の環境
や左岸バイパス上の公園の環境整備についての地元による協議会を立ち上げるということ、
下流の中央橋対策について平成17年度から工事に着手するスケジュールを示し、県の責任
でやるということなどを説明し、バイパス工事着手については地元の皆様の了解を得ている
という状況です。
B 委 員:災害が発生して既に21年という歳月が過ぎ去っているわけで、急いで工事を終えた方がい
いという意識を持ちました。
現地を見てそういう工法の改善等々で近隣に対し影響が非常に少ないということも確認で
きましたので、ぜひ工事の方を急いでいただければ、実際に被害を受けた人間にとっても安
心できるまちづくりになると思います。
委 員 長:委員の皆様方も積極的に早急に完成してほしいという意見ですし、この案件は継続とする。
河 川 課:河川−16 長崎水害緊急ダム事業
概要説明
委 員 長:雪浦第2ダムは多目的ダムとして長崎水害の中で位置付けられ、代替ダムとしてどうして
も必要だという説明です。
C 委 員:第2ダムの用地は自然がしっかりしていて、もったいないと思う。既設雪浦ダムは、水が
濁っていて、非常に汚れていました。長崎市の全体的な人口の読みとか、いろんな問題を考
えながら最終的な判断を下した方がいいと思います。
A 委 員:確かに自然との共生も大事だと思うが、水の需要等いろいろ検討されていると思いますが、
水源確保というのは常々やっておかなければいけない問題ではないかと思います。それから
すると、浦上ダムを治水化してしまうということになれば、どこかに水源を求めないといけ
ないということが必然であり、雪浦ダムが既にあって第2ダムをつくることは、やむを得な
いのではないかと思っています。したがって、継続でという気持ちです。
F 委 員:飲み水を確保するというのは大事なことですが、やはりその他の方法でできないのか、
そういうことも含めてきちんと検討すべきじゃないか。ダムをつくること自体に反対するわ
けではないですが、それはやむを得ない場合には私も賛成はします。しかし、水源としてあ
そこが絶対に必要だということをそれなりに納得できるような説明をしないと、あれだけの
ものをつぶすというのはあんまりじゃないかと、そんな感じがします。
委 員 長:将来計画に基づいて計画されていると思いますが、長崎市の水需要の利水計画は、それを
踏まえた上のダム計画ですかね。
河 川 課:ダムと河川改修を組み合わせた方法が治水対策として一番安上がりだということで現在工
事をやっていますが、その中で失われる水道の水量につきましてはどうしても減るわけです
から、その代替として確保しなくてはいけないということで、中尾ダムと雪浦第2ダムが水
源としてあるわけです。
当然多目的ダムですから、治水上も必要ということは説明しないといけませんし、利水に
ついては、利水者である長崎市が幾ら必要であるかというのを対外的に、市の事業再評価委
員会がありますので、そちらの方で説明されると思っています。
委 員 長:治水については、このダムができなかったら河口付近を拡張するとか、かなり河川工事を
伴いますから、費用対効果を考えるとダムで治水した方がより有利という説明を受けました。
それはもっともな意見だと賜りました。同時に、ダムができた関係で生物等が遮断されるの
ではないかということに対しても、雪浦川水系内の砂防ダムで魚道をつくったり、適切な工
法を行うということも説明を受けています。その上で、委員の皆様方も自然とその対比はど
うかという意見があります。ただ、これをそのまま継続してやるのではなく、河川課の方も
河川整備基本方針・整備計画に基づいて審議しながら継続するという説明ですから、何か問
題が出てきたら、すぐに再評価して見直しを図るとか、そういうことを付帯条件としての継
続ということでどうでしょうか。
F 委 員:再評価は5年に1回ですよね。ですから、5年後というふうに決めずにいろいろな計画の
中で状況の違いが出てきたら出してもらうという条件付きでしていただければと思います。
河 川 課:それについては、河川整備計画ができましたら、そのときに当委員会等で審議していただ
くということになっていますので、できた時点が1年先であろうと2年先であろうと、整備
計画ができた段階でこの委員会に諮るということになっています。
それと補足説明ですが、環境の問題については、県のアセス条例の対象になるダムですの
で、県条例に基づくアセスの中で環境問題については評価していくことになると思います。
B 委 員:いろんな現場を見せていただいて、結局、人間が生きていること自体何らかの自然破壊を
していることは事実だということを強く感じたこと、もう1つは、長崎県というのはまだま
だ自然がたくさん残って、緑がたくさんあるなという感じを強く持ちました。結局、そうい
うところの総合的な調整でしかないだろうと思います。私の場合は被害経験がありますから、
やはり安全性を高めに考えて、例えば浦上のダムを治水化するとすればこれは必要だと、そ
ういう認識はむしろ県側の意見に共感を強く持ちます。自然破壊を起こさないようにすると
いうのは、先ほど説明があったようにアセスメントで十分進められるわけでしょうから、こ
こにつくること自体イコール自然破壊というとらえ方は逆に私はいかがかなという感じを持
っています。
委 員 長:先ほどのように付帯条件をつけ、雪浦第2ダムは継続とする。
河 川 課:河川−17 村松川河川総合開発事業(村松ダム)
概要説明
A 委 員:ダムをやらないとすれば、流下断面確保のために下流河川をさらに拡幅しないといけない
という話でした。そうなると、多くの土地や建物が河川になってしまうというような現状を
見ると、確かに環境破壊とか、いろいろ発生することは事実でしょうが、治水と言うことで
はやっぱりダムをつくるということしかないのかなという感じでした。
委 員 長:南部広域的水道計画の本明川ダムとかの絡みはどうなっていますか。
河 川 課:現在の計画では、水源として村松ダムと本明川ダムが位置づけられています。
長崎県南部広域的水道計画については、平成11年に計画が策定され、平成12月8日に企
業団が設立、平成14年4月に水道事業の認可が確定されています。その中でこの村松ダム
から1日当たり取水量が6,000t、本明川ダムから2万5,000t、合わせて3万1,000tと
いう取水量が確定されています。
委 員 長:治水の面で見たときに、国道沿いのところはかなり土地の嵩上げによる開発が進んでいて、
当初の計画からするとかなり想定浸水区域が変わるという印象を受けました。解析結果が出
た上でもう一度再審議をさせてもらいたいと思います。したがいまして、そういう状況の変
化に伴って出てきたものに対して、河川整備基本方針策定において検討を加えながら継続す
るということを付帯条件として慎重に計画を進めてもらいたいということで、付帯条件つき
の継続とする。
都市計画課:都市−15 都市下水路事業(中里都市下水路)
概要説明
B 委 員:環境面で言いますと、都市下水路としては整備が急がれる部分だろうと思いました。何か
がありそれを壊さないと進まないということであればやむを得ないと思いますが、ある意味
でこういう社会生活をしている中での私権と公権のバランスのとり方という意味では、こう
いうものは何らか進める仕組みが必要だと思います。
委 員 長:かなりの区間は完成しています。これは継続として早急に解決してもらいたいという印象
を受けました。
この案件は90%ぐらい進捗していますから、早期完成を目指して継続とする。
河 川 課:河川−15 川棚川河川総合開発事業(石木ダム)
委 員 長:今回示された資料は、治水関係の評価資料であり、利水に対しては来年度に佐世保市が検
討されます。
反対派の方から資料が委員会に提出されましたが、評価委員会として県の方に渡し、本日
回答が得られると思います。同様に、反対されている方々の純粋な意見を、報道及び県関係
者を除いた中で聞きたいと思い、県を通じて出席を要請しました。しかし、出席できないと
いうことで、本日は県側の説明だけで評価することをご理解いただきたいと思います。
河 川 課:概要説明(治水、利水、地元の状況)
委 員 長:治水について、現案であるダムプラス河道改修案とその代替案を5案示され、その内3案
は可能性があるという説明でした。
利水については、佐世保市が平成16年度に見直しされるのですね。
河 川 課:水道事業計画についての再評価が実施されるということです。
委 員 長:今回、治水の評価を目的に現地を視察しました。しかし、治水だけではなく、利水面もあ
る程度考慮しながら、忌憚のない意見、質問をお願いします。
B 委 員:水不足は、経験した人間でないとなかなか理解できない。水害もしかりです。 個人の意
見ですが、利水の問題は非常に重要だと思います。
先ほど説明があったように、平均給水量での利水計画では、危機管理上対応できないので
はないかと感じます。水が安定して供給されるということは必要です。
治水問題にしても、昭和23年以降55年ぐらいの間に7回の水害が起こり、約8年平均ぐ
らいで発生しており、治水・利水両面で重要だと感じます。
確かに土地を手放される人の立場にすれば、厳しいのはわかります。ただ、個人の私権と
多くの人たちの利便との問題は、調整が必要であり、石木ダムについては、私としては利水
を含めて進めるべき案件ではないかと判断しました。豊かな自然を現地で感じましたが、今
後、環境アセスメントを受けながら環境保全対策も実施されることを条件に、ぜひ進めてい
ただきたいと思います。
A 委 員:利水は来年佐世保市で審議されますが、仮に佐世保が水を要らなくても、治水面では現案
のダムプラス河道改修か、河道を拡幅するしかない。実際的に河道拡幅は不可能に近く、現
案しかないというのが私の考え方です。現実に時間雨量95o以上で氾濫するということで、
この前も98o降り、下流の人たちは不安に感じている。下流と上流で利害が相反している。
また、同じ町民で対立が生じているという不幸な状況もあります。しかし、今の地元の状況
を聞くと、かなり従前と違い理解をする方向にある。もちろん絶対反対の人も何人かいるで
しょうが、特に代替宅地の状況などが非常に変わってきています。時間の経過とともに地権
者の家族内の問題、親子の関係なんかの状況も非常に変わってきていると聞きますから、地
元の理解を求める最大の努力は前提ではありますが、現段階では、利水面は除いても川棚町
民の生命・財産を守るという観点から、継続していただきたい。もちろん自然を守る最大限
の努力とか、町民に対する最大限の対策とか、将来のダム周辺の活性化のための周辺整備も
考えていかなければと思いますが、これをやめることにはならないと思います。
委 員 長:ダム計画のために隣近所の冠婚葬祭のつきあいができなくなる等、地元住民に厳しい人間
関係を強いることとなったダム計画に対しては、早急に解決してもらいたいという気持ちが
ありました。ダムができることによって自然が破壊されることもあります。しかし、30年前
と今では社会情勢は変わり、車社会になっています。当時は、佐世保市に通うということも
なかなか難しかったのではないでしょうか。現在ある代替地だったら十分通える。価値観も
変わってきたのではないでしょうか。
こういう機会に反対派と県とが糸口をつくって、早急な解決を図ることが私の希望です。
C 委 員:この委員会を機会に、佐世保市の利水、川棚町の治水も含めて、どういう方法が一番良いか
ということを、もう一度、地元・県・市・川棚町が、同じテーブルの上で話をし、ぜひ解決を
していただきたいと思います。
F 委 員:早急にやるのも大事ですが、丁寧にやることを考え、以前の二の舞にならないように注意す
べきと思います。
D 委 員:私も地元の方のご意見を伺いたいと思っていましたが、確かに県の説明を聞けば、ごもっと
もな案だと思います。これまで長年反対された経緯について、理解が浅く、反対の方々の意見
を聞いて適切に判断したいと思います。
来年、佐世保市で利水の再評価があるということですので、利水も含め、時間も経過してい
ますので、総合的な検討が必要だろうと思います。
委 員 長:ダム完成後のイメージ図を見せてもらえますか。
確かにここに残られる方がおられます。しかし、付替道路により棚田へのアクセスがよくな
るなど、かえって自然を活かして活性化できるのではないでしょうか。少しプラス的な考えを
持ったのも確かです。
石木ダム建設事務所:先ほど委員長が言われたように、賛成の方々の中に、ダムが自然を守ってくれると
いう意見もあります。ダム計画により、砕石事業について県で制限しており、ダムも自然を守
るという見方はおかしいかもしれませんが、良い面が働くこともあります。
E 委 員:地元の反対意見ばかり耳にしますが、事業推進の意見はありますか。
石木ダム建設事務所:7割以上の方が事業推進の意見です。
委 員 長:水没される方たちが一番反対されているわけですか。
石木ダム建設事務所:反対される方々が住んでいるのはこの辺りです。所有する田は棚田ではなく優良で、
水没地の中では非常によい住環境にあり、反対の気持ちは理解できます。
B 委 員:A委員がおっしゃったように、利水を切り離しても必要な事業であるという意見は、非常に
重要な意見であると思います。
委 員 長:来年度データが出ると思いますが、日量最大6万tが少し過大評価ではないかと感じますが、
佐世保市から正確な将来予測を出してもらいたいと思います。
といいますのは、長崎市が43万人で、1日平均に大体12万tの水を使用しています。6万t
は長崎市の半分の水です。6万tでは過大評価と感じますが、定量的な評価を待って判断したい
と思います。
治水面では、河道拡幅のみによる対応は困難で、ダムプラス河道改修案が一番良いのではな
いかという印象を現地を通して感じました。
反対派からの資料の最後に、「私たちは県の公共事業評価委員会の石木ダム事業の評価がいか
なるものであろうと、これまでと変わりなく生活を続けていくことには変わりない。」と宣言さ
れています。長期間交渉されていますが、交渉が途絶えてどれくらいたちますか。
石木ダム建設事務所:同盟の組織には、計画当初から話し合いに応じて頂けず、やむなく強制測量を実施し
ましたが、その後は極端に関係が悪化し、協議ができない状況です。
そういう中、個別に話を聞いて頂ける方もあり、個々に協議を進めています。
A 委 員:確かにボタンのかけ違えから不幸な時代が続いたが、知事さんも代わられて、従前とは違った雰
囲気も一部あるんですけどね。絶対反対の人は、これはもう絶対ですから、難しいでしょうね。し
かし、時の流れとともに変わるのではないでしょうか。
委 員 長:そうですね、もう30年経過している中で、交渉事がスムーズに行われないまま一方的な形で進ん
でいます。これを我々がどう評価するかは非常に難しい問題です。同時に、治水の定量的な評価は
難しい問題ですが、比較表による県の説明を聞いて判断すれば、現在のダムプラス河道改修案がも
っとも経済的で効果的であると判断せざるを得ません。利水については、私自身は少し過大な計画
ではないかと感じます。佐世保市に正確に出して頂いて、来年度もう1回再評価したいということ
です。今回は、問題提起した上で継続として取り扱わざるを得ないと判断しています。
F 委 員:これは提案になるかもしれませんが、今回、反対派が利水についてどのように関係する方々かわ
かりませんが、主に利水に関する資料を提出しており、治水に対しては何も触れておられないよう
な感じですね。委員会の資料をお渡しし、反論のチャンスを与える方がよくないかと思います。
委 員 長:委員の皆様に賛成いただいていますが、県の意見を一方的に聞くのではなくて、ぜひ我々だけで
反対派の意見を聞いてみたい。これは懸案事項になっていますから、率直な意見も聞いた上で、ま
た県の意見も聞きたいと思っています。県から反対派に交渉し、我々だけの場をつくることはでき
ないですか。
事 務 局:わかりました。意向をお伝えします。
委 員 長:どうでしょうか、委員の皆さん。ぜひそういう機会をつくっていただいて、聞いてみたいと思い
ます。
C 委 員:県側が出す資料を自分たちは見せてもらいたいとおっしゃっていますよね。気持ちとしては早期
解決と思いますが、ボタンをかけ違えて最初に感情的になってしまったものを、人間なかなか解決
できないのが難しいところなので、治水・利水両面で、ダムが一番いいというのは、多分皆さんも
そう思っていらっしゃるので、どういう形で進めていくことができるのか、せめて私たちとでも話
し合いをして、お互いに納得のいく方向で、問題を早く解決しなければならないと思います。
B 委 員:私どもは資料をいただいていますから、会うことをノーだと言うつもりはないですが、果たして
この委員会に託された機能なのかどうか疑問を感じます。
F 委 員:意見を聞くことは構わないと思いますが、調整までの話になると、権限外だと思います。
委 員 長:我々は評価委員会の意見を県に答申し、県が判断することになります。意見を聞くことは良いと
思いますが、それに対して意見を言うつもりはありません。
F 委 員:今回出てこられなかった理由は、出ることで反対派の方が推進の方向のレールに乗ったという評
価を周りから受けることを嫌ったからだろうと思います。いろんなときにそういう運動的な中での
判断はあり得ると思います。要するに、委員長が言われるように、お会いしてという話を拒否され
ても構わないと思いますが、資料はきちんと提供して、反論のチャンスは与えるようにしないこと
には、この委員会の意味がないのではないかという気はします。
B 委 員:県にお伺いしますが、地下空洞ダムシステムがいただいた資料の中にあったことはご存じですよ
ね。この件について、土木の立場から評価を説明して頂きたいと思います。
河 川 課:地下空洞ダムが利水の代替としてあるということで、あるコンサルタントの方から反対者の方々
へ提案された資料が含まれているようです。治水の代替案とはなり得ないということは理解されて
いるようです。県もそのコンサルタントから直接話を聞こうと思い、説明を求めたのですが、十分
な回答が得られませんでした。
B 委 員:利水に有効だと書いていますが、実績がないということは、何か問題点があるのではないかなと
感じたのですが、いかがですか。
河 川 課:石油備蓄のために開発されましたが、利水での実績はないと聞いています。地下水への影響など
環境面での問題をコンサルタントに尋ねましたが、明解な回答は得られませんでした。
事 務 局:利水については、来年佐世保市の再評価委員会にかけられ、もし社会情勢の変化等あり変更にな
る場合は、再度利水の内容について、当委員会に報告するということになろうと思います。
委 員 長:今回は佐世保市の再評価の結果を待つことで、継続案件として取り扱うことになりますが、大幅
な見直しがあれば、どのように取り扱えばよろしいですか。
事 務 局:再度この委員会に、状況の変化ということで審議することになろうかと思います。
委 員 長:委員の方々には、治水の面ではダムが大事だという意見がありました。 利水の面では、佐世保
市が来年度再評価するということで、継続にならざるを得ないという結論になると思います。しか
し、佐世保市が社会情勢の状況変化に伴い大幅な変更をされると、審議する必要があり、その時点
で再評価を行うことで、厳しい条件を付けて継続として取り扱います。
以上で平成15年度の再評価の案件はすべて終わりました。
その他の事業としまして、公共事業事後評価モデル事業の説明になります。よろしくお願いしま
す。
農村整備課:三川内地区県営ほ場整備事業
調査概要説明
水産基盤計画課:館浦漁港改修事業
調査概要説明
港 湾 課:島原港港湾整備事業
調査概要説明
河 川 課:福田川河川改修事業
調査概要説明
事 務 局:これから調査に入りますので、今後報告を行います。