平成14年度 長崎県公共事業評価監視委員会(第3回)議事録要旨

 

事 務 局:開会挨拶

土木部:挨拶

委 員 長:詳細審議7事業について、現地調査を踏まえた上での最終的な審議を行います。

長崎土木事務所:港湾−5 茂木港改修事業  概要説明

委 員 長:水深3mの航路開削を中止して静穏度を再計算すると、防波堤100mが40mで十分とい

う結果により事業を見直したいという提案ですが、特に意見がなければ見直しとする。 

佐世保:港湾−8 佐世保港改修事業  概要説明 

D委:長崎県の北における一番重要な港湾ですから、あらゆる面を考慮して見直しをする、あ

るいは代替機能を決定するということが、今後の効果的な社会資本の整備につながります

から、佐世保港をどうしていくのかよく考えて、県の港湾課とも協議しながら進めていく

ことが一番大事だと思います。

委 員 長:今の指摘は、今年3月の港湾計画改訂には反映されていないのですか。

佐世保:改訂への反映は、時期的に厳しかったために今後の検討課題ととらえています。現在、

針尾・干尽・相浦の3地区に分散して流通が行われており、それぞれの地区の目的があり

ますので、今回の港湾計画では、今の地区を充実させようということで計画をしています。

D委:佐世保市自体が財政の問題・産業構造の問題を踏まえて、県北の確たる拠点地域にする

という意味において総力を挙げて検討しないといけない。

C委:どうして砂置き場のそばに魚市場が来るのか、縦割りの弊害が重なった部分があるので、

各部署が一体となって港湾及び都市計画を行うべきである。

委 員 長:この計画の方が機能分担できるわけですね。

      今回の港湾計画による港湾施設の機能分担が、より合理的で効率的と判断されるため、

旧計画に基づく当該地区の計画を中止とする。

佐世保:港湾−9 佐世保港海岸保全事業  概要説明

委 員 長:道路は、反対側に行ったらどうなっているのですか。行き止まりですか。

佐世保:同じぐらいの狭い道ですが、県道から県道へ循環しています。

A委:ここは通学路であるが、高潮が上がり危険であるということで、それが人命にかかわる

確率が高いということであれば、隣接地権者との用地問題はあるが、このまま中途半端に

中止できるのか。

佐世保:平成14年度までに、用地問題の関係ない約180mは完成します。残りは100mで、今ま

でに比べたらかなり改善されますが、完全に解決したわけではないので、当然危険は伴い

ます。今後も、引き続き解決に向けて努力をしていきます。

委 員 長:中止した場合に、工事を打ち切っただけであとの処理は不要ですか。

佐世保:しばらく放置してもいいような処理はしたいと思っています。

B委:中止すると、事業が再開されるにあたって、やりにくくなるのではないですか。

佐世保:補助事業としては今回中止しますが、危険ということを認識していますので、どんな予

算措置をしてでも施工したいと思っています。我々としては、地権者の方との折衝を引き

続き今まで以上にやっていきたいと思っています。

E委:感情的になっているのでかなり難しいと思います。今回の事業は中止して、独自の事業

で施工するとか、時間をかけながらやっていく方がいいと思います。

高潮の関係で被害者になり得る人と、用地問題のある地権者が違うので、被害者になり

得る人に対する説明責任は果たし、了解・納得をいただく作業は、行政としてはたすべき

です。

佐世保:中止の判断をするにあたり、地元の代表者・住民・住民の代表である市会議員の方たち

に市の方針を伝え、一応の理解を得て今回の方針に至っています。

D委:港湾計画だけではなく道路計画としてどう考えて処置をするかということは、港湾の事

業としては中止もしかたないが、あとをどうするかという問題をよく関係の部局と相談し

ながら決定しないといけない。

委 員 長:今回、中止としますが、道路計画も含めて引き続き関係者と協議を行い、将来につなが

るよう要望します。

福 江 市:都計−3 奥町木場町線街路事業  概要説明

委 員 長:現地に行きましたが、1回目の委員会では、どちらかというと全体計画の話が多く、こ

この地区はかなり目処がついている状況になっています。

A委:私どもの想像以上に進んでいるといいますか、特に用地関係も全体32戸の内あと6戸と

いう話ですので、思ったより進んでいるという気がしました。予算をどれだけつけること

ができるかが、工事の進捗状況に影響してくるという気がします。

委 員 長:この地域には道路もありませんし、かなり進んでいて、再評価の対象区域については特

に問題ないと思います。

D委:進捗状況を見ると、平成14年末に用地74%、工事19%、平成19年に全区間供用開始と

あるが、現在、三井楽町役場への所要時間が30分以上かかるということで、市町村合併の

進捗状況からすると、大変大きな問題です。19年度完成では市町村合併の意味がない。

委 員 長:今年度3億円の予算がついていますから、19年でなく17年完成の可能性はあります。

ここは中止になるということではなく、事業が遅れている、全体計画の中で全体像が見え

ないということでしたが、早く施工することを要望して継続とする。

大 村 市:住宅−1 上駅通り地区第一種市街地再開発事業  概要説明

委 員 長:都市計画決定はいつごろになりそうですか。

大 村 市:県や地元との協議を重ねており、年度内には都市計画決定したいと思っています。あく

までも最終年度は18年3月ということで計画しています。

委 員 長:工事期間の代替店舗等の計画は作られているわけですか。

大 村 市:仮営業は、仮設店舗をつくるか、空き店舗を組合が借り上げて利用するか、詰めの段階

に入っています。

E委:地権者の反対者が大分いますが、地権者・賃借人への今後の対応はどう考えていますか。

大 村 市:この資料提出後にコンサルと組合の方が、借家権者を除く権利者の方に個別面談をした

結果、絶対反対者という人はいなくなり、具体的な条件提示が示された段階で判断するこ

とになっています。今後とも権利者の方との会合を重ねていきたいと思っています。

E委:土地所有者の場合には、買収ではなくて権利交換を考えていますか。権利交換で、全国

的に失敗例がかなり出ています。負担が、後日になって投資に見合う収益がなくて権利を

喪失するという事例が出ていますが、そういうことについての検討も今回されましたか。

大 村 市:近々コンサルが、個人的にそういう条件を付して個別面談をする予定になっています。

E 委 員:一般の人が、契約書の内容を詰めの段階で理解できないことがある。こういう形で町を

活性化させるためのある意味での犠牲者でもあるという認識を持ってもらわないといけ

ないという気がします。

A委:地権者の方に後継者がいるのか、もう1点、キーテナントが生鮮食品でしたが、工夫し

ないと集客力に欠けるのではないかが心配です。そこをぜひ検討いただきたい。

D委大村をこうしようという気持ちはわかるが、大村の商工業者が一体になってやらない限

り、外殻はできても中身は伴わない。

大 村 市:この事業は、大村駅前を大村市の顔として発展させたいということで、中心市街地活性

化基本計画を策定し、一つの起爆剤となるように考えています。地元商店街においても、

上駅通り地区商店街だけでなく周辺の商店街が、上駅通り地区の再開発事業を実行に移し

て、中央商店街全体の活力の源としたいということで頑張っています。

B委:計画されている地区は、なかなか入りにくいこともあり、どんなテナントが入るかによ

ってお客を呼べるかということになるし、場所的にもちょっと難しいという気がします。

C委:何かできそうだなという空気みたいなものがあまり感じられなかったので、継続で構わ

ないが心配です。

委 員 長:ここは継続という対応方針でしたが、全然進んでいないことや、皆さんの意見を聞いて、

本当に覚悟してやっていかないとできないだろうということで抽出したわけですから、今

の意見を十分踏まえてさらに検討していただきたい。

E委:根本的に今の社会情勢・経済情勢を見た上で、何が必要なのか、大村市の発展のために

は何をすべきなのかということを考えた方がいいという感じはします。

委 員 長:今の意見を十分踏まえてさらに検討していくということで継続とする。

農村整備課:農整−4 畑地帯総合整備事業(上崎山地区)  概要説明

委 員 長:市の方では議会で中止ということで、県にも中止の意向を伝えており、委員会ではその

確認ということになると思います。

D委:農産加工というものも踏まえた産業化を図らなければ、五島列島、特に福江島を中心と

する産業活性化をどうするという目標が見つからない感じがします。県の農林部が長崎県

の農業をどうするのか、「地産地消」についてのあり方、あるいは、農業特区のあり方等を

踏まえて、どういう振興策を行うのかを考える時にこれでいいのか。

農村整備課:「地産地消」、そういう農業の振興については農林部挙げてやっており、その中で667ha

4ブロックの畑地整備を計画しています。1ブロックについては、同意率がよく現在進ん

でいます。ところが、あと2地区については国から採択を受けていますが、圃場整備です

から95〜96%という高率の同意をもらって仕事をしなければ区画の整理ができません。そ

の段階で皆さんの同意がまだ得られず、今から同意率60数%を90数%にするというのが

困難なため、事業中止をお願いしているわけです。同意を取られている方は点在して、1

つのブロックもまだ圃場整備ができるような同意が取られていません。そういう1つ、1

つのブロックでも同意が取られて圃場整備、そして次の展開ができる準備ができれば、

我々としても支援をしようということで考えてお願いしたつもりです。

E委:現在の同意率は、自分たちが選んだことですから、補助事業として中止はやむを得ないと思います。農業の将来あるべき姿をどうしていくのかについて、ソフト面での動きは、

今からやっていくべきです。その上で新たに必要になったらその段階で実施するというこ

とです。

D委:私は見直しでやるならばまだわかる。

E委:地元の人たちが選択しない以上、中止はやむを得ないと思います。

農村整備課:見直しとなると、予算を使わずに持っている自体が国に問題が生じますし、そういう意

味で予算をつけることを一回やめようという趣旨です。

C委:一体どういうものをつくりどういう形でやればという事業計画、そういうものがはっき

り見えないし、わからないので、やはり賛成は得られないと思います。

ですから、見直しという気持ちもわかりますが、やはりそちらの面が先にあって、それ

で再度こういうことをしていくという段階を踏まないと、今の段階ではちょっと難しいと

思います。

委 員 長:私も見て、もう作っていないところも大分あるし、お金を出してまで区画整理するとい

うことが、基本的に非常に難しくなっているような感じがしました。区画整理型の事業が、

ある意味ではなじまないということで、知恵を絞るということにかかっているような気も

しました。

D委:中止するのは構わないと思うが、見直しを前提として国に言っておかないと、農業は衰

退してしまいます。これは県の意思か、市町村の意思かということをはっきりしておきた

い。

農村整備課:市町村といいますか、土地改良を行われる方の意思だと思っています。

D委:こういうことを実施しなさいというものを能動的に指導することが、農林部の補助事業

ではないですか。

農村整備課:そういうソフト的な話し合いはやりながら来ているわけですが、その中で同意というも

のが、仮同意から本同意になるときに取れなかった現実があるわけです。

農林部:今回の大きな計画というのは変わりますが、次にはまとまりのつく地区ごとに基盤の整

備をやり、効率のいい農業の振興を図っていきたいと思っています。これが中止になった

場合についての農業振興はどうするか、この地区をどうしていくかということについて、

今からソフト面についての取り組みをやっていくところです。ただ、その場合についても、

市としての大きな一つのリーダーシップというのがないと非常に難しいという点は残って

います。

D委:それをいつまでに、どういう形で地域に示し、施策として市とともに実施するかという

ものが見えてこないと、さびれてしまいます。

農林部:あれだけの土地基盤をいかに使うかということを考え、そういった農地を限られた人た

ちが保つための方策というのは必要だと思っており、それはいつというよりも、私どもが

今持っている農政ビジョンの中で、五島の農業振興ということでやっています。

B委:現地に行きましたけど、やはり一番の賛同を得られなかったのは、受益者の負担金と農

業経営に対する将来への不安だと思います。小規模であっても、農家というのは減らない

とは思いますが、大規模化しようというところに若干の不安があったということで、一応

中止の形にして、担い手の育成ということをまずソフト面から育てていって、それが後に

整備事業に進んでいければいいと考えています。

委 員 長:地元が中止するからということではなくて、もっと農業全体のことを考えてほしいとい

う意見を踏まえた上で中止とする。

       次に資料−5の第1回目の委員会で出てきた問題の説明をお願いします。

農村整備課:残工事に対する完了工期の問題と、防災事業のB/Cを想定被害額で表示していました

が、これを(想定被害額/事業費)という数字で表現する、この2つについて修正をして

います。

      工期ですが、残工事と年度の事業費を考慮し、完了工期を農政局と協議しまして、農整

−1・3・10・11・13・16・17について、国の了解を得て完了工期を変更しました。農整

−6は、平成16年までの事業ですから、16年の時点で事業を終わるのか、違う事業に変

更するのかということを国と協議をしたいと思っています。

      B/Cですが、農整−13から18について(想定被害額/事業費)という数字に修正し

ています。

委 員 長:残事業費が大きく予定年度で完了しそうにない箇所を協議し年度を変更したということ、

期限があるものについては別途バトンタッチするということ、費用対効果を数字で整理し

たということですね。

      では、全体として農林部と土木部にかかる分はどうですか。

事 務 局:、前回までの審議年度を記入するということで、「前回審議年度」という欄を追加してい

ます。

      続きまして、再評価の対象時期の考え方ですが、農林水産省関係については、事業採択

後5年を経過した時点、国土交通省関係については、事業採択後10年間を経過した時点で

継続の事業ということで、5年と10年という形で行います。

      また、ほかの委員会で審議を受けたものについての説明ですが、これに該当するのは、

「河川事業・ダム事業については、河川整備計画の策定・変更の際、河川法に基づき学識経

験者、関係住民、地方公共団体の長の意見を聞くにあたって、学識経験者等から構成され

る流域委員会等が設置される場合は、本委員会に代えて、当該流域委員会等において審議

を行うものとし、その審議結果については、本委員会へ報告を行うものとする」というこ

とになります。

D委:補助事業にかかわるものについての各省庁の取り扱い通知に基づいて、我々は公共事業

の評価監視委員としての意見を述べるというふうに理解すればいいのですか。

事 務 局:再評価の手続につきましては、補助事業につきまして、国に予算要求する場合に再評価

委員会の意見を踏まえた形で要求を行いなさいという制度になっており、委員会の意見を

踏まえまして県の方が継続、中止、見直しの考え方を打ち出して、それを踏まえた形で国

に予算要求を行うという手続になっています。

D委:各省庁の出先機関等と行政の事務各部局が相談した結果、補助事業についてだけ我々に

意見を聞かれるというふうに理解すればいいのですか。というのは、下打ち合わせが大体

終わったものに付議されるというふうに理解してかかるべきでしょうか。

事 務 局:その逆でございます。やはり先に委員会の意見を伺って、それから国と協議するという

手続になろうかと思います。

D委:知事さんの任命するところに従って、長崎県の公共事業を評価監視していくという基本

になっているということですね。

事 務 局:そういうことです。

D委:県の政策調整局、あるいは地域振興部とも協議して、公共事業について社会資本整備と

いう点から、どうするかという点、大きな目標あるいは目的に合致して実施されているか、

各部のファクター、言うならば費用対効果の総合観点から実施していくという考えですか。

事 務 局:今、委員おっしゃるように、県の中では政策評価という制度があり、その中で事業をど

う評価していくかという手続の問題ですが、まず、補助事業につきまして、新規採択時の

評価については、政策評価で行うということに手続がなっています。これは県の評価機関

です。補助事業については、次に再評価という手続があり、再評価については、この委員

会で行うということで、一定期間経過した事業についてこれをどう取り扱うかという評価

を行っています。今後、事後評価についてもこの委員会で取り扱うことになるかと思いま

す。あと単独事業については、政策評価の方で新規採択、再評価についても行うという手

続になっています。

委 員 長:この委員会で事後評価について議論するということで1回目の委員会においてモデル事

業の説明がありましたが、具体的に少し作業が進みましたので、今度はどういうふうにこ

れを評価して使っていくかということの意見をいただくということで、説明をお願いしま

す。

道路建設課:公共事業事後評価モデル事業の説明

委 員 長:内部で事後評価は求められているわけですか。

事 務 局:内部では必要と考えておりますので、モデル事業でいろんな評価手法を出しまして、今後

の事後評価はそれをもとにやっていくということになると思います。

道路建設課:今後のスケジュールとしましては、今回の評価委員会の意見を踏まえ、年内ぐらいに作

業をほぼ終え、その後、平成14年度の最終の委員会にかけたいと思っています。

 今回、どちらかというといろんな問題点の指摘事項がアウトプットに出てきそうな予感

がしているところであり、事後評価の数値自体はいろんな人の評価によって大きく左右さ

れてくるものだと思います。

委 員 長:作業を続けていただくとして、これで今日の議題は終了しました。

農林部長挨拶